先日、皆様をお誘いしたDirect Marketing Workshop(DMW)、
木曜日に終了しましたが、とても面白かったです。
このブログを見てのご参加はなくて残念。
そこで今日は、このブログをご覧の皆様のために、
先日のDMWの模様をちょっとだけご紹介しますね。
まずテーマは、「Web2.0を横目で見ながら考える
人とブランドのリレーションシップ」。
講師というか語り手(本人のご要望)は、
㈱グレイワールドワイドグレイダイレクトインタラクティブ
ディビジョンディレクター 潮崎美穂さん。
潮崎さんとは、確か(社)日本ダイレクト・メール協会発行の
「DM年鑑」でダイレクトマーケティング・エージェンシーの動向を
取材したときからのお付き合い。
最初にお目にかかった時から意気投合し、
Web2.0ならぬ、ダイレクトマーケティングの世代論で
盛り上がったことを覚えている。そしてその後間もなく、
麻布十番・六本木界隈で夜が白むまで浴びるように飲んだのは、
もうかれこれ数年前のことか。
DMWでの講演依頼に当たっては、
「Web2.0時代のダイレクトマーケティングでどうですか?」
と伺ったのだが、ぎりぎりのお願いだったこともあり、
Web2.0はひとまず「横にらみ」するに留め、
お得意の「人とブランドのリレーションシップ」について
お話いただくことになった。
「リレーションシップ屋」を自称する潮崎さんのWeb2.Oへの視点は、
先日のブログでもご紹介したように、「そんな時代だから、
そしておそらくはどんな時代でも、ビジネスの成長は
人と人とのリレーションシップ構築にかかっている」というもの。
まずは「そんな時代」の傾向として、以下の3点を提示。
①提供側と受け手側の垣根がワヤに
②つながる勝手連
③パーソン、パーソナリティのパワー
①は顧客参加型の商品開発や、昨日のブログでご紹介した
ネットプライスのギャザリングシステム、
②はブログのトラックバックやコメント、あるいは、
アフィリエイトなどによる口コミの連鎖がその代表例か。
こうした説明のわかりやすさこそが私が彼女を評価するところ
(と言いつつ、私が解説を加えてしまったが)。
きちんと「自分の言葉」になっているでしょう?
その後、「消費者から関与者へ」をキーワードに、
化粧品通信販売会社3社へのミステリーショッパー結果を紹介。
これはネット広告探し→サイト訪問→コールセンターへの発信
→カタログ請求→カタログ到着→商品購入→商品到着
といった一連の流れを、潮崎さんの周囲の女の子達に
“お客様”として試してもらった結果。
面白いエピソードは山とあったが、詳細は省略。
何と彼女達の評価は、売上高の順位とは見事に逆になったとか。
続いて「話は変わりますが」と、従業員とのリレーションシップのお話。
そのココロは、お客様とブランドのリレーションシップと並んで、
従業員とブランドのリレーションシップが重要だということ。
縦軸=ブランドの理解度、横軸=エモーショナルな関与度の
マトリクスで従業員を4グループに分類する手法をご紹介いただいた。
外部との接触が多いほど、また社員グレードが高いほど、
高ランクにプロットされるというとある企業の調査結果や、
低ランクの従業員をどのように引き上げていけばいいのか、
貴重なポイントをご説明いただいた。
次は、「人とブランドのリレーションシップ」の失敗&成功事例。
米国・AOLの顧客対応の「怖い」お話しに続き、
成功事例としてはなんと千葉ロッテマリーンズの事例を通して、
「すぐれたブランドは、ステークホルダー全員の
ディライトフルな体験の連鎖によって作られる」と結論。
これを実現するポイントとして、
自分ごと、エンパワーメント、約束を守ってくれるひと、
の3つのキーワードを提示された。
そして最後に、これを受けた形で、新たな成長の指標、
Gross Delightful Involvement(GDI)を提唱。
「そんな時代だから、そしておそらくはどんな時代でも、
ビジネスの成長は人と人とのリレーションシップ構築にかかっている」
という冒頭の台詞に戻り、広告会社である自らを、
「“縁(=リレーションシップ)”の下の力持ち」と位置づけて、
木曜日のプレゼンテーションは終わった。
詳細は省いたが、後半では「モーセの十戒」も登場するなど、
今回のDMWはまさに圧巻。私自身は潮崎さんとは、
これまでのお付き合いを通して理念を共有しているので、
内容面では良い意味で「想定内」(裏切っていない)だが、
冒頭でも述べたようにきちんと自分の言葉で語っておられること、
パワポ作りをサポートしてくれたスタッフを写真付きで紹介するなど、
チームのリーダーとしての「品格」が感じられたこと等々で、
私の中の潮崎さんへの評価はますます上昇!
私は人前で講演をするとき、根がシャイなもので、
ついつい左脳でこなしがちになるが、
もっと、もっと、自分自身の「腑」に落として、
潮崎さんのような語り手を目指さなければいけないと思った。
潮崎さん、ありがとうございました。
ダイレクトマーケティング・ワークショップ
2006年7月22日