ウェブ 進化論

2006年4月20日

月刊「アイ・エム・プレス」コメンテーターである、
アイベックス&リムズの辻井さんに薦められ、
目下、ちくま新書の「ウェブ進化論」を読んでいる。
まだ読み終わってはいないのだが、
「グーグルの組織マネジメント」の項目の冒頭に、
著者である梅田望夫さんが昨年、
㈱はてなというネットベンチャーに参画されたとき、
戦略の議論やアイディアの発案から、
特定個人への報告や相談に至るまでのすべてを、
社員全員が読めるブログに書き込むことで情報共有するという、
「インターネットを駆使する若い世代」の仕事の仕方を体験した、
というエピソードが紹介されている。
梅田さんによると、電子メールは、
情報の送り手が受け手を選ぶという意味で、
情報の隠蔽を基本とする従来型組織を支援する情報システムであり、
これに対して、㈱はてなのような、
情報の公開・共有を原則とする新しい仕組みの場合、
絶対に処理しなければならない自分宛の情報以外は、
読んでも読まなくてもいい。
つまり、情報の送り手ではなく受け手が、
必要な情報を選んで処理していくのだという。
私はある勉強会で情報交換にBBSを使ってからというもの、
社内でのコミュニケーションにもこれを使えないものかと思いつつも、
ITリテラシーの低さや日々の忙しさの中で、
結局、実現しないまま今日に至っているが、
これを読んでインターネットを駆使する「若い世代」は、
やはりそうやって情報共有しているのねと感心させられた。
当時の私のイメージは、新たな特集テーマ案を思いついたら
トピックスを立てて他のスタッフの意見をコメントしてもらうとか、
既に計画されている特集にまつわる情報を得たら
その特集についてのトピックスにコメントで情報を補足する、
といったイメージ。もちろん、特集だけではなく、
新たな連載企画とか広告特集企画とか新商品企画でもOKだ。
以前、サイボーズでこれを実現しようかと試用したこともあったが、
首謀者がスケジュールの共有から着手しようとしたところ、
本人以外は誰もスケジュールを入力しようとしなかったことから、
ナレッジシェア以前の段階で頓挫してしまった。
現在、顧客DBをリニューアル中なので、これが無事稼動したら、
今度こそ、こうしたナレッジの共有化に踏み出そうと思う。
「若くない世代」は、そうでもしないと、
何かを思いついてもすぐに忘れてしまうのだ。<笑>
そういえば、ある友人の会社では、
いまだにひとつのeメールアドレスを全社で共有している。
インターネットを利用し始めた頃はどこもそうだったが、
この会社では既に個人ごとのアドレスを設定しているにもかかわらず、
社員がアドレスの変更を面倒くさがって、
当初からの会社の代表アドレス(?)を使い続けているというのだ。
その会社のスタッフの大半と20年来の面識がある私は、
昨年になって初めてその話を聞いてびっくりたまげた。
なぜってそれは、それまで私が同社のTさんに送っていたメールが、
スタッフ全員に見られていた可能性があることを意味しているから。
これは果たして、インターネットを駆使する「若くない世代」が、
情報を共有する仕組みなのだろうか?