「CRM年鑑2009」出版記念セミナー講師決定の舞台裏

2009年3月28日

「CRM年鑑」本体、および別冊の「CRM調査報告書」ともに入稿を終えた今週は、
同書の出版を期して4月22日に開催するセミナー、
「不況を勝ち抜くためのCRM力とは」の講師との打ち合わせや、
長年、お世話になっている方々との情報交換に時間を費やした。
その間、締め切りが迫ってきた月刊『アイ・エム・プレス』の原稿の校閲や、
自分自身の講演のパワポ作りを進めながら、ということなので、
それはそれで忙しいには違いない。
さて、「CRM年鑑2009」は、いよいよ明後日の月曜日に発刊される。
内容は総論編、個別企業動向編、参考資料編の3つのパートから構成。
総論編では、CRMの全体像を俯瞰した概況に加えて、
CRMにかかわる生活者調査結果、そして海外動向をカバー。
個別企業動向編では、メーカー、金融、小売、サービスなど
計40社のCRMのケーススタディを掲載。
参考資料編では、CRM支援企業のリストや関連書籍の一覧を掲載。
定価3万8,000円のところ3,000円引きの「予約特別価格」でのお申し込みは、
2009年3月30日必着ですので、今すぐにこちらからお申し込みください。
また、4月22日の「CRM年鑑2009」出版記念セミナーでは、
冒頭で私が同書の取材・調査結果の全体像を30分間ご紹介した上で、
「CRM年鑑2009」に掲載した40社のケーススタディの中から選定した、
オイシックス(株)クラブツーリズム(株)の2社における
各社各様のCRMへの取り組みをご紹介する。
講師は、オイシックス(株) 取締役EC事業部長の堤祐輔さんと
クラブツーリズム(株) 総務部広報課長の真柄徹さん。
冒頭でも記した通り、今週、このお二人との打ち合わせを行ったわけだが、
お二人ともお話がお上手だし、内容は期待以上になりそう!!
お二人とも開口一番、本セミナーのタイトルである、
「不況を勝ち抜くためのCRM力とは」について、
その心を尋ねられたのだが、弊社の企画意図としては、
昨秋以来の不況下で、新客獲得コストがますます上昇する中、
既存客との関係を維持し、継続購入を促進するCRMが改めて注目されていること、
および、弊社では今回、ご講演いただく企業は
CRMのリーディング・カンパニーであると認識しているため、
各社の成功要因を知ることが受講企業のCRM力向上につながるはずとお答え。
顧客との関係性をうまく築いている企業には、
そもそもCRMに注力しているなんて自覚はないのかもしれないと思うと、
改めて言葉というものの難しさを痛感すると同時に、
正直、いろいろと考えさせられるところがあった。
そんなこんなを経て、オイシックスのケーススタディについては、
食品の定期宅配サービス「おいしっくすくらぶ」にフォーカスすることに決定。
おいしくてカラダにいい食品の供給を担う全国の契約農家と
35万人を数える会員顧客をつなぐ“食”のデマンドチェーンを担う立場から、
Webやメールマガジン、商品同梱などの紙媒体などを通した
会員顧客とのきめ細かいコミュニケーション施策や、
会員顧客と契約農家を結ぶVOC活動についてご紹介いただく。
堤さんとお話していてつくづく思ったのは、
オイシックスはよくネットスーパーと対比されるものの、
双方のビジネスは現状ではまったく異なるということ。
店舗小売業のスーパーが手がけるネットスーパーが
店頭商品の宅配というサービスに力点を置いたアプローチであるのに対し、
無店舗小売業であるオイシックスが手がけるネット宅配は、
多少高くても「Oisix基準」に則ったこだわりの商品を宅配する事業なのだ。
オイシックスとネットスーパーのWebサイトを見比べてみると、
その事業コンセプトの違いが如実に感じられるが、
まさに双方向性に優れたインターネットの進展あってこそ実現した、
食のデマンドチェーンといえるだろう。
一方、クラブツーリズムのケーススタディについては、
同社が注力している顧客参加型のアプローチにフォーカス。
旅の動機に焦点をあてた各種クラブ活動や、
顧客の中のオピニオンリーダーを各種活動に参加させる仕組みづくりなど、
同社が古くから取り組んでいるリアルの施策に加えて、
DNAとの提携により開始したケータイSNS「趣味人倶楽部」による
ネット上でのコミュニティ創出へのアプローチ状況を紹介する。
私は今から20年以上前から、クラブツーリズムの活動に注目していたのだが、
真柄さんとお話していて改めて思ったのは、
同社におけるリアル、およびバーチャルの顧客参加型の仕組みは、
ある意味、人々の生活現場から旅行商品の需要を開発する取り組みであり、
サービス・ドミナント・ロジックに則ったアプローチだということ。
それがいまでは、長年、培われてきたリアルでの取り組みから、
バーチャルでの取り組みに広がりつつあるわけだが、
同社の主力顧客層は熟年~高齢層であるにもかかわらず、
ネット上で活発な活動が繰り広げられているという事実は注目に値する。
団塊の世代が定年退職を迎える中で、
いよいよ熟年~高齢者向けビジネスにもネットが活躍する時代がやってきたようだ。
以上、弊社の「CRM年鑑2009」出版記念セミナー、
「不況を勝ち抜くためのCRM力とは」企画の舞台裏をご紹介したが、
こうして考えてみると本セミナーは、CRMに興味がある方や
ケータイを含むネットや人的メディアなど各種顧客接点の運営に
携わっておられる方はもちろん、以下のような方々のお役に立てそうだ。
■顧客の口コミをテコにしたビジネスの拡大に関心がある方
■顧客の声を開発部門や仕入先企業に伝えるVOC活動に関心がある方
■顧客の生活現場から商品・サービスの需要開拓を狙っておられる方
■熟年~高齢者向け事業開発に取り組んでおられる方
■注目の農業関連ビジネスに興味がある方
■食の安心・安全にかかわるビジネスを展開しておられる方
本セミナーの会場など詳細は、こちらをご参照ください。
(講演内容はこのブログのほうが最新情報になります)