「顧客主導型」とWeb2.0

2006年11月11日

昨日のブログでは、一昨日のブログに引き続いて、
ダイレクトマーケティングがなぜ顧客主導型なのかについて述べたが、
今日はこれに引き続き、CGMが台頭するWeb2.0の時代と
「顧客主導型」マーケティングの関連性を私なりに整理して見る。
CGMが台頭するWeb2.0時代のマーケティングには、
ブログなどを通じて社会への発信力を強めた生活者達にいかに対応し、
彼らを味方に付けていくかが求められよう。
そのための手法としては、以下のようなものが挙げられる。
■ターゲット顧客とのコミュニケーションを強化するコミュニティの展開;
SNS(Social Networking Service)、商品開発サイトなど。
■CGMを通して商品に関する口コミを促進するためのプロモーション展開;
ブログのトラックバック・キャンペーン、アフィリエイト・プログラムなど。
企業と生活者の双方を含めた性善説に則って両者を比較すると、
前者は「企業→生活者」「生活者→企業」「生活者→生活者」
という3つのベクトルの情報流を構築。情報の受発信を積み重ねると同時に、
収集した会員情報を企業活動にフィードバックしていくことを通して、
「顧客主導型」マーケティングを志向していると言えるだろう。
一方で後者は、言わばCGMを巻き込んだアウトバウンド系であり、
「企業→生活者→生活者」という情報流を構築。
生活者に評価された商品だけが競争に勝ち残るという意味で
「顧客主導型」マーケティングを志向していると言えるだろう。
最も俯瞰して見れば、後者はインターネットという大きな海の中で
前者と同様の取り組みを行っているということかもしれない。
そしてこうした状況がさらに進んでくれば、生活協同組合よろしく、
生活者が欲しい商品の製造を請け負うのが
企業の役目といったことにも発展してくるだろう。
Web2.0の時代と「顧客主導型」マーケティングを
私なりに整理するとさしずめ以上の通りとなる。
なお、弊社が発行する月刊「アイ・エム・プレス」では、特集や連載を通して、
このような「顧客主導型」マーケティングを展開している企業事例を紹介している。
中でも連載「その秘訣は“お客様の声”にあり 売れる商品 光るサービス」では、
インターネットやコールセンターを通して収集した顧客の声に基づく
商品の改善事例や開発事例を掲載しているので、
ご興味のある方はこの機会にぜひ年間定期購読をお申し込みください。