昨日、月刊「アイ・エム・プレス」に何度か連載していただいたことのある、
ダイナサーチの石塚さんおよびスタッフの方々とランチをご一緒した。
ダイナサーチはロサンゼルスに本社を置くリサーチ&コンサル会社だが、
年に数回、仕事で来日されるので、そのときにお声掛けいただき、
日米の情報を交換するのを楽しみにしている。
今回、仕入れた情報の中でも私が興味を持ったのは、
米国の小学校では、生徒に研究課題のようなものを与えるに当たって、
「インターネットを使ってはいけません」という注意がなされるという話。
つまり、ネットで検索した情報をまとめるのではなく
(もちろん、そのままコピペするのでもなく)、
自分で図書館に行ったり、何かを観察したりして、
リポートをまとめることが求められているのだという。
以前に、「『検索ぐせ』に思う」というブログを書いたことがあるが、
海の向こうではこれが教育の現場でも意識されるようになっているのだ。
その日、家に帰ってからたまたま教育テレビを見たところ、
東大の先生がWeb社会について語る中で、今、先生方は
検索→コピペの論文に恐怖を抱いていると発言されており、
この問題がすでに日本の教育現場でも顕在化していることを知った。
つまり、ネットで検索した情報をそのままコピペするのではなく、
検索した情報を自分できちんと解釈した上で表現することが重要なのだ。
大人ももちろんそうだが、子供たちからそういう能力が失われたら、
日本は、そして世界はどういうことになってしまうんだろうか?
これはもちろん、編集者やライターにしても同じことだ。
商売抜きのブロガーならいざしらず、我々はプロの編集者集団。
検索のみならず、取材・調査を含めた多角的な情報収集力はもちろん、
収集した情報を自らの知見や感性というフィルターを通して編集する力、
そしてこれを読者の立場に立って伝える表現力が求められる。
これは何も、ネットの普及した今に始まったことではないのだが、
今ほどそれが求められたことは無いのではないか。
写真は、石塚さんたちとランチをご一緒した店の入り口に置かれていたハスの花。
よくよく見ると造花のようだったが、パッと見にはそれとわからず、
とってもきれいだった。
「検索ぐせ」に再び思う
2007年7月10日