先週の水曜日は、このブログでも何度か採り上げたことのある、
ダイレクトマーケティングの勉強会、
「Direct Marketing Workshop(DMW)」の定例会に参加した。
今回のテーマは、
「消費者の購買行動に働きかけるターゲット・マーケティング
カタリナマーケティングにおける『レジクーポン』の実際」。
講師は、カタリナマーケティングジャパン(株)
ストラテジック・アナリティクス・グループの福井昭一さん。
カタリナマーケティングの日本法人が設立されたのは1999年。
私は月刊『アイ・エム・プレス』の取材で、
その当時、前社長にインタビューさせていただいたことがあるのだが、
現在では設立当初からの店頭の購買時点情報に基づき
レジクーポンを発行する仕組みに加えて、ポイントカードを通して収集される
会員顧客の購買履歴に基づくレジクーポンの発行も実現。
その仕組みは大きく進化していた。
同社のレジクーポンは、イオンやイトーヨーカドーなど、
全国23チェーン・2,300店のGMSやSMとのタイアップにより、
月に2億回を上回る各チェーンの店頭購買者を対象に発行されるもの。
タイアップ先のGMSやSMは自店のプロモーションへの寄与を狙いに、
POS情報、ポイントカード会員情報などを同社に貸与、
同社はこのネットワークを活用したレジクーポンの発行を
メーカーなどから請け負うことで生業を立てている。
先週のDMWでは、このレジクーポンの仕組みに加えて、
以下のようなさまざまな活用事例をご紹介いただいた。
・自社商品購入者→リピート購入の促進や購入量・頻度のアップ
・競合商品購入者→トライアル購入やブランドスイッチの促進
・自社商品の見込客と見られる関連商品購入者→トライアル購入の促進
前述の通りポイントカード会員の購買履歴の活用を開始したことで、
それまでの“レジを通過した時点で何をどのくらい買ったか”だけではなく、
最大104週まで振り返って会員の購買特性を確認し、
自社ロイヤル、スイッチャー、競合ロイヤルなどといった
セグメントに応じてクーポンを発行できるようになったことは、
レジクーポンの使い勝手を大きく高めたといえるだろう。
ちなみに、同社のレジクーポンの交換率は1%以上。
当日の参加者の中には、レジクーポンはいちいち使わないという人もいたが、
不況下で節約ムードが高まる中、少しでも安く買おうと、
これを有効活用する生活者も増えているのでは、という意見も見られた。
ダイレクトマーケティングというと通信販売、あるいは、
メディアを駆使したキャンペーンをイメージする向きが多いが、
同社のレジクーポンの取り組みはまさに
店頭基点のダイレクトマーケティングであり、
1生活者としても、また月刊『アイ・エム・プレス』発行人としても、
今後の展開から目が離せそうもない。
ちなみに今回の講師は月刊『アイ・エム・プレス』の大ファンで、
前職、前々職にお勤めの当時から、
毎号、楽しみに読んでいてくださっていたとのこと。
今回のDMWは、講師によるお話の内容もさることながら、
弊誌のロイヤル顧客にお目にかかれたという意味でも、
私にとっては大きな収穫だった。
「レジクーポン」の進化
2009年10月25日