mixiの上手い使い方

2007年6月2日

月刊「アイ・エム・プレス」が4月に開催した、
お客様との関係づくりを語る会「IMpress Live」でも、大塚製薬の井上さんに、
ファイブミニにおけるmixiの活用例をご紹介いただいたが、
同社に限らず、mixiのマーケティングにおける活用例が
ポツポツと見られるようになってきた。
記憶の新しいところでは、小林製薬が“mixi会員と作った”という触れ込みで、
新製品のTVCMを放映しているのをご覧になった方も多いのでは。
mixi上で検索してみると、Supported by 小林製薬株式会社と記された、
「あっためて つる肌委員会」というコミュニティがあり、
“mixiとHanakoのコラボで実現した、『つる肌』を目指す全ての女性のための
期間限定コミュニティ”とそのコンセプトが説明されている。
コミュニティ内には、自己紹介のコーナーのほか、「お肌にいいものしりとり」や、
プレゼント企画、お肌の手入れ方法などのトピックスがズラリ。
現時点での会員数は5,077人に達しているようだ。
大塚製薬や小林製薬は、大手企業によるmixiの活用例だが、
いわばその対極に位置付けられる中小企業や個人商店だって負けてはいない。
過日もこのブログで、ある飲食店がmixiを活用したユニークな
来店促進プロモーションを展開している事例(詳細はこちら)を紹介したが、
最近、これとは異なる切り口でmixiを活用している例を発見した。
今日ご紹介する事例は、結論的に言えば街の不動産屋の事例なのだが、
mixiを表面的に見ているだけでは、その仕掛けには気付かない。
要は、ある街のコミュニティで、再開発に伴い取り壊された
ビデオレンタル店を再び誘致しようというトピックスが上がっており、
多くの賛同コメントが寄せられているのに気がついたのだ。
具体的には、たった半日ほどで60件を上回る賛同コメントが寄せられており、
これに感激したトピックス投稿者は、自分がそのビデオレンタル・チェーンの
本部に交渉してなんとかすると息巻いている。
これを見た私は、その街のファンが集うコミュニティで
店舗の誘致への働きかけをするなんて、面白い試みだな!
ビデオレンタル・チェーンの担当者は嬉しいだろうな~と思ったのだが、
トピックス投稿者のプロフィールを見て、あっと思った。
そう。トピックスの投稿者は、何のことはないその街の不動産屋さんだったのだ。
調べてみるとその不動産屋さんは、ブログにも同様のことを書いているのだが、
要はその街に100坪弱の空き店舗が出るという情報を得て、
新たなテナントとしてそのビデオレンタル・チェーンに焦点を当て、
営業アプローチに先駆けて、mixiのコミュニティにより、
その街を行き交う人々のニーズをリサーチしていたのだ。
一瞬、見知らぬ不動産屋さんのビジネスに思わず乗せられてしまった私は、
まだまだ甘いな~と自戒しつつも、私自身がそのビデオレンタル店の誘致に
賛成であることには変わりはなく、この賢い不動産屋さんの
ゲリラ・マーケティングには、脱帽の思いを免れないのであった。
店舗物件を扱う不動産屋さんは、いわば街を行きかう人々のニーズと、
店舗ビジネスを展開する企業のニーズをマッチングするビジネスなのだから、
これはこれで良しとしようというのが個人的な結論。
でも、自分が不動産業を営んでいるということを、
(匂わせてはいるが)もう少し明確に書いて欲しかったとは思う。