バタバタしているうちに発行日から1週間を過ぎてしまったが、
8月25日に月刊『アイ・エム・プレス』9月号が発行された。
本号の特集は、「ソーシャル時代の戦略的企業文化論」。
この3月に『ザッポスの奇跡』の筆者として知られる、
ロサンゼルスに本社を置くダイナ・サーチ、インク代表取締役の石塚しのぶさんと
日米のソーシャルメディア事情について情報交換した時に、
ソーシャル時代における企業文化の重要性についてお伺いしたのが
本特集を組むことになったきっかけである。
その時の模様は、3月17日のブログに書いたが、
当時、米国においては、それまで通常のWebサイトやECサイトと同様の考え方で
ソーシャルメディアを運営してきた多くの企業が戦略の見直しを迫られ、
お客さまを中心にした考え方を単なるお題目に終らせるのではなく、
組織の隅々にまで浸透させ、あらゆる顧客接点で実践していくことの重要性が
問われはじめているというお話であった。
その時に感じたことを、3月17日のブログより引用しよう。
「ソーシャル時代が、生活者も企業もともにソーシャルメディアの海に飛び込み、
自らの情報を公開すると同時に、主体的な選択を行う時代だとすれば、
店頭の販売員、営業担当者はもちろん、コールセンターのオペレーターなど、
企業のあらゆる顧客接点には、ある程度の権限委譲がなされることが不可欠だ。
つまり、いくら美声で、丁寧な言葉遣いで対応に臨んだとしても、
あらかじめ取り決められた二者択一的な対応に終始していたのでは、
お客さまの期待を超えるサービスの提供はかなわないと言えるだろう。
そして、これらの顧客接点への権限委譲を行うに当たっての大前提が、
石塚さんがその重要性を指摘されるところの企業文化なのではないか。」
そして、これを何らかのかたちで月刊『アイ・エム・プレス』の誌面に
反映させることができないかと考えた末、今回の特集にたどり着いたのだ。
さて、今回の特集では、弊誌スタッフが取材した日本企業と
ダイナ・サーチから提供された米国企業計4社における
戦略的な企業文化構築への取り組みとその実践方法をリポートすると同時に、
「戦略的企業文化:実践へのロードマップ」と題して、原稿をご寄稿いただいた。
日本側の掲載企業は、下町の商店としてのあり方を
企業文化に昇華しようという取り組みを進める久米繊維工業と、
“理念経営”を実践するワタミの2社。
米国側の掲載企業は、400人の従業員が語り部となってストーリーを育む
収納をテーマにした店舗小売業であるコンテイナー・ストアと、
5つのコアバリューの具現化に取り組むホームケア用品製造業のメソッド社。
石塚さんの寄稿では、戦略的企業文化実践の重要性とその具体的な展開方法、
企業が陥りやすい落とし穴などを詳しく解説している。
以下にご参考までに、石塚さんによる「『戦略的企業文化』5つの要素」を転載したが、
本誌では以下のそれぞれについて、詳しく解説がなされている。
【「戦略的企業文化」5つの要素】
①企業文化の育成は今や、企業が生き残るための「必須条件」である。
②企業文化は戦略的に事業に合致したものでなくてはならない。
③企業文化は会社の組織統括の土台となるものである。
④コア・バリューに基づくプロセス・仕組みで浸透を図る。
⑤プロジェクト・プロセスを用いて構築する。
「ソーシャル時代の戦略的企業文化論」を特集した
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9月号の特集は「ソーシャル時代の戦略的企業文化論」
2012年9月1日