2010年の初ブログ

2010年1月3日

明けましておめでとうございます。
今年も「通勤電車」をよろしくお願いいたします。
今年のお正月は、つくづくお正月らしくない気がする。
私自身が、暮れから、大掃除を中掃除に規模縮小(?)したり、
おせち料理を作らないことにしたり、
例年とは異なる過ごし方をしたせいもあるかもしれないが、
それだけではなく、お正月のTVや新聞を見ても、
また、街に繰り出してみても、同様の印象を受けた。
そこには、時代とともに、古き良き“日本のお正月”が
失われつつあるというだけではなく、
やはり、長引く景気の影響もあるのではないか。
TVのお正月番組は、例年、似たようなものばかりで食傷気味なのだが、
今年はフジTVの「新春かくし芸大会」も最終回とのことで、
お正月早々、過去46年間の歴史を振り返るような内容だったし、
2日にはNHKが「紅白歌合戦」の舞台裏を初めて番組で紹介したという。
なんとなく安普請の番組が増えているのは、
やはり不況で広告収入が減っているからでは?
元旦の新聞も、例年に比べると心なしか薄い気がする。
名刺広告は目に見えて減少しているし、
記事にもお正月ならではの厳粛さが薄れ、
日本の未来を見据えたような記事が少ない気がした。
ちなみに、日本経済新聞の中で印象に残ったのはIT関連の別刷りで、
昨年来、頻繁に耳にするようになった、
クラウドコンピューティングが大きくクローズアップされていた。
一方、“若者の街”の定評を持つ私が住む街は、
2日からすでに普段の休日のように若者たちで溢れ返っていた。
スーパーこそ空いていなかったものの、
ファストフードや居酒屋はもちろん、
お菓子屋さん、薬屋さん、カジュアルウェア・ショップ、
靴屋さんなど、けっこうな数の商店が営業。
これも景気の影響で、仕事始めを早めた店もあるのかもしれない。
こうした中、2010年を実りある1年にするためには、
やはり私たち1人1人が、そして1社1社の企業が、
自らの目指すところをしっかりとイメージすると同時に、
そこに向けてのプロセスを具体的に設計し、
愚直に一歩一歩、歩み続ける以外にないと思う。
今や私たちの生活には、さまざまな選択肢が用意されている。
毎日の食材の買い物ひとつを取っても、
私が幼いころには母が近所の商店で買っていたものが、
今ではスーパーや生協、コンビニなどの店舗はもちろん、
お取り寄せやネットスーパーなど無数ともいえる選択肢がある。
これは私たちのワークスタイルにしても同様で、
前述の日経の別刷りには、いまやTV会議が出張に代わり、
クラウドコンピューティングが在宅勤務を容易にしと、
さまざまな選択肢があることを指し示している。
さまざまな選択肢があるのは恵まれたことではあるが、
今度はそれらの選択肢の中からどれを選ぼうかと悩むのが現代人の宿命だ。
ネットのおかげで情報探索が容易になったとはいえ、
結局のところ、自分にとってのベストは自分にしかわからないし、
選択は自己責任以外の何者でもない。
そういう意味では2010年は、選択肢そのもの以上に、
それをなぜ選択し、いかに使うのかという
個人の、そして企業の物語が問われる年になるのだろう。
自分自身の本音と向き合い、自分ならではの物語を紡ぎ出すのはもちろん、
今年も数多くの“リスペクト”できる物語に出会い、
それをさまざまなかたちで皆様にお届けできれば幸いである。