CRMソリューションセミナー無事終了

2008年10月16日

昨日、第12回CRMソリューションセミナーが無事、終了した。
これで私がかかわっている月中の6本のセミナーのうち、
2本が終了したことになる。
今回のセミナーも企画自体はなかなかの自信作。
その甲斐あって、開催の1週間ほど前から、お申し込みはキャンセル待ち状況。
当日の欠席率も低く、多くの皆様にご来場いただいた。
私は挨拶をしたり、講師をもてなしたり、スタッフに徹していたので、
講演自体は全体の7割ぐらいしか聴けなかったのだが、
以下、私が聴いた範囲での感想をご紹介しよう。
■基調講演:顧客情報は宝の山~活かす!実戦活用術
ストラテジー&タクティクス(株) 代表取締役 佐藤義典氏

ポーターやコトラーなどの経営・マーケティング界の大御所の話から、
CRMにかかわる話への展開がとてもスムースで、
かつ、マーケターであると同時に1生活者でもある
私たちの日常的な消費行動にまで落とし込んで話していただいたので、
非常にわかりやすい講演だったと思う。
後半では事例を3つほどご紹介いただくことになっていたが、
私自身はひとつ目の事例を聞いたところでタイムアウト。
私がお伺いできた範囲で特に印象に残ったのは、
「お客さまにとっての価値=商品の潜在的価値×伝達率」という図式で、
どんなにすばらしい価値でも、それを伝え、伝「わ」らなければ
価値はゼロであるというところに思いっきり共感した。
グローバリゼーションが加速する中、
こうした取り組みはこれまで以上に重要になってくると思う。
■ケーススタディ:メーカー・販売チャネル・エンドユーザー
WIN-WIN-WINを目指す
ハーレーダビッドソン ジャパンのCRM戦略
ハーレーダビッドソン ジャパン(株) 代表取締役社長 奥井俊史氏

私が奥井社長に最初にお目にかかったのは、
月刊『アイ・エム・プレス』2004年6月号の
トップインタビューにご協力いただいた時のこと。
弊誌のトップインタビューはこの11月号ですでに107回目を数えるが、
中でも非常に心に残るインタビューだったことを記憶している。
今回のご講演は、残念ながら私は前半しか聴くことができなかったが、
その中で改めて思い知らされたのは、ハーレーダビッドソンは、
CRMなんて言葉がないころからCRMを展開していたという事実だ。
そしてそれは、オートバイという“モノ”ではなく、
さまざまなサービス施策、すなわち“コト”を演出することにより成立している。
奥井社長のご講演の中ではライフスタイルマーケティング、
イベントマーケティングという言葉で語られていたが、
これこそがサービス・ドミナント・ロジックに則った施策ではないかと思った。
また、講演テーマにWIN-WIN-WINという言葉が入っていることからもわかるように、
今回の講演ではディーラーの存在にも触れておられたが、
会場で閲覧に供された全国のディーラーのガイドブックは、
個々のディーラーの従業員の顔写真入で構成されており、
B to B to Cの流通構造におけるCRMのあり方という意味でも、
非常に参考になるケーススタディだったと思う。
最新動向紹介:「見える化」の実践例
—その効果とスピード実現のための仕組み
日本オラクル(株) 執行役員 CRM On Demand営業統括本部長 藤本寛氏

本講演では、まず、代理店販売モデルの顧客の見える化事例、
営業業務プロセスの見える化事例、提案型営業の見える化事例を紹介。
その後、企業のコンシューマーライゼーションや、
メーカー抜きのコミュニケーションなどに言及した後、
次世代型のCRMともいえるソーシャルCRMのコンセプトが紹介された。
私は実はシステムのことがどうも苦手で、敬遠してしまいがちなのだが、
今回のお話を聴いて、私自身の不勉強を反省すると同時に、
顧客と企業の関係性や、組織のあり方の変化に伴い、
CRMシステムにもこれに対応する第三世代が登場していることを知った。
藤本さんの表現を借りれば、CRMシステムは、
1998年時点では業務処理型だったものが、1998~2008年には分析型に、
そして2008~2018年には対話型になってくるとのこと。
そうなれば、企業ブログなどもCRMの一環として
より有機的に活用できるようになり、
さまざまな可能性が生まれてくるのではないかと思った。
以上、取り急ぎ、ポイントのみのご報告で恐縮だが、
昨日のセミナーにいらっしゃれなかった方にも、
何らかの参考になれば幸いである。
なお、本セミナーの概要は、月刊『アイ・エム・プレス』
11月25日発行号に掲載する予定。お楽しみに!!