今週は月刊『アイ・エム・プレス』11月25日発行号の入稿週だった。
11月25日発行号といえば、それは12月号。
来週からは12月25日発行のお正月号に向けてまっしぐらだと思うと、
1年の速さに寒気がするほどだ。
11月25日発行号の特集テーマは、「新・優良顧客論」。
弊誌が2001年から継続的に行っている「顧客の維持に関する調査」
(旧名称:優良顧客の維持・拡大に関する調査の速報)に加えて、
今年は“顧客による新規顧客の紹介・口コミ”にフォーカスし、
これに注力している以下の4社に取材、その最新事情をまとめた。
■スタイリッシュなPHSでおなじみの「(株)ウィルコム」
■旅仲間の組織化に注力している旅行通販の「クラブツーリズム(株)」
■フィットネスクラブの「(株)東急スポーツオアシス」
■化粧品・健康食品製造・販売の「(株)ファンケル」
顧客による顧客の紹介・口コミにフォーカスしたきっかけは、
今年の初め、某・大手広告代理店の方に、
友人・知人に商品・サービスに関するプラスの口コミを発信したり、
新たな顧客を紹介したりしてくれる顧客は、
仮にその顧客本人の購買実績が低くても、
優良顧客といえるのではないかという話を聞いたのがきっかけ。
実際に取材してみると、上記の各社に限っていえば、
新規顧客に占める紹介による顧客の比率は想定を大きく上回る数値に。
紹介のきっかけは、新商品の発売やキャンペーンなどで、
RFMなど購買実績の高い顧客もさることながら、
当該商品・サービスを使い始めて間もない顧客による紹介も多いことが判明した。
また、紹介方法については、昔ながらの紹介制度から顧客参加型の取り組み、
インターネットを活用した方法まで、各社各様のスタイルとなっている。
今回の4社への取材を通して痛感したのは、
友人・知人と商品・サービスの利用経験を共有したいという想いが、
顧客による紹介・口コミの大きな動機となっているということ。
取材対象企業の1社に多く寄せられるという、
紹介者よりも被紹介者に対する特典を充実させて欲しい、
といった顧客の声にも、そうした背景があるのかもしれない。
本特集の総論ではこれを“仲間消費”と称しているが、
この仲間消費にフォーカスすることが、
この不透明な時代を乗り切るひとつのきっかけにならないか。
月刊『アイ・エム・プレス』発行人である私としては、
弊誌の購読者獲得のためにも、
このキーワードをちょっと追求してみたいと思っている。
「新・優良顧客論」を特集した月刊『アイ・エム・プレス』12月号は11月25日発売。
詳細は、同日の弊社サイトにアップされます。
顧客の紹介—キーワードは仲間消費
2008年11月8日