銀座4丁目の“顔”にお客さまの声を展示

2011年5月7日

久しぶりの出勤日の昨日、銀座に出向いたところ、
4丁目交差点のランドマーク的存在とも言える、
「和光」のショーウィンドウにお客さまの声=VOCが展示されていた。

銀座の和光と言えば、地価も日本で最高クラスならば、
品揃えも高級ブランドに特価した、いわば庶民には敷居の高い店。
そのショーウィンドウは、店を象徴する存在のはずだ。
そんな和光のショーウィンドウには従来、
ため息の出るような高級ブランドのみを展示していたであろうに、
そこにお客さまの声が展示される時代がやって来たと思うと、
なんとも感慨深いものがあった。
帰社後、さっそく同社のWebサイトをチェックして見ると、
ウィンドウに記された「『絆』 私たちの思い」という文字は、
同社の社長である中村克氏の直筆によるものとのこと。
同社ではこれに先駆けて4月28日から30日までの3日間、
ウィンドウに「『  』 あなたの今の想いを聞かせてください」などと記しただけで、
中は何もない異例のディスプレイ(?)を公開し、
「このたびの一連の出来事を受けて、今、大切に思うこと、誰かを応援すること、
自分自身の決意など、未来へ向けたポジティブなメッセージをお書きください」と、
来店客を初め、銀座4丁目交差点の通行者に呼びかけたそうだ。
そして、4月28日から5月15日までの約半月に渡って、
メッセージ専用シートをWebサイトや店頭を通じて配布し、
FAX、郵便、eメール、店頭で回収。
これを順次、追加するかたちで、ウィンドウに展示しているのだという。
東日本大震災を機に、店の象徴とも言えるショーウィンドウを
いったんゼロベース(何もないショーウィンドウ)に戻し、
次にはお客さまの声(それも“顧客”だけではなく、
たまたま店の前を通りがかった人を含む利害集団の声)
の展示に踏み切ったのか・・・。
この同社の取り組みが、日本中の多くの企業が
ブランドの方を向いたマーケティングから、
地域社会や顧客の方を向いたマーケティングへと
大きく舵をシフトしていく兆しであることを願って止まない。