近頃の友達的接客

2007年5月8日

連休中、弊社スタッフに薦められ、グルメバーガーで知られる
「VILLAGE VANGUARD DINER」に行ってきた。
これは知る人ぞ知る(と言っても、すでに直営店だけで172店舗もあるが)
「VILLAGE VANGUARD」という本屋さんの系列店。
本屋さんと言っても、それは“遊べる本屋”をキーワードに、
書籍、SPICE(雑貨類)、ニューメディア(CD・DVD類)を
複合的に陳列して販売する小売業で、そのユニークなコンセプトや、
アルバイトにかなりの権限委譲をする独自のマネジメントスタイルで、
テレビ番組などでも採り上げられたことがある。
その飲食部門である「VILLAGE VANGUARD DINER」は現在4店舗。
おそらく、飲食に進出したのは比較的最近のことなのだろう。
私はたまたま近所に用事があり、行きがけにお昼を食べたのだが、
店内に入ると、バイト君たちが元気な声でお出迎え。
それも、近頃の若者向けの店にありがちな、
友達のような語り口で、全員が次々と声をかけてくる。
そのうちの1人に案内されてテーブルに着くと、ほどなくメニューが到着。
グルメバーガーを主体としたそのメニューはどこかアメリカンな感じだが、
よく見ると英国やメキシコなど世界各国のカジュアルな料理が並べられている。
ハンバーガーは、シンプルなそれに加えて、サルサバーガー、チーズバーガー、
テックスメックスバーガー、クラッシュペッパー&ベーコンバーガー、
1/2アボガドバーガー等々があり、価格はどれも1,000円ぐらい。
どれにしよう・・・と迷っていると、再びバイト君がやってきて、
テーブルの横にしゃがみこみ、座っている私と同じような高さで接客。
グルメバーガーを紹介するその物腰はフレンドリーそのもので、
まるでバイト君と私は友達同士で、同じテーブルを囲んで
オススメのメニューを紹介してもらっているかのような錯覚さえ覚える。
私はテックスメックスバーガーとメイプルティーを選んだのだが、
バーガーにはトッピングを付けられると言われ、金50円也のハラペーニョも注文。
実のところ、トッピングなんて別にいらなかったのだが、
バイト君のフレンドリーな接客に、思わず付き合わされてしまった。
グルメバーガーができるまで15分ぐらいかかるというので、
私はオーダーを済ませてから、近所のコンビニでお買い物。
店内に戻ってくると、今度はなんと「お帰りなさ~い!」という
バイト君たちの元気な声が次々に聞こえてきた。
メイプルティーを飲んでいると、ほどなくグルメバーガーが到着。
バイト君が10センチ以上の厚さのあるバーガーの食べ方を教えてくれる。
要はどこぞのハンバーガーショップ(Mバーガー)のように
専用の袋状のパッケージに入れて、ちょっとつぶすと食べやすい、
というだけのことなのだが、そのプロセスにもどこか遊び心があって楽しい。
テックスメックスバーガーにハラペーニョのトッピング、
そしてメイプルティーをオーダーして〆て千数百円になるので、
ちょっと贅沢なランチといったところだが、その味もさることながら、
近頃の友達的接客の極みを見たようで、なかなか興味深い体験だった。
この友達的接客、その草分けは109のショップのカリスマ店員とかだろうか?
今や六本木当たりのレストラン&バーにも類似の接客をする店があるし、
メイド喫茶にしても(行ったことはないが)ある意味似たようなものだろう。
今後、こうした友達的接客が伝統的接客を徐々に侵食していくのか。
皆さんはどう思いますか?