ITなどの総合展示会が不振と言われて、もう数年が経つだろうか。
弊誌が関与しているコールセンターやCRMの業界でも、
ここ2~3年のうちにいくつかの展示会が姿を消している。
要は展示会への出展者が減っているわけだが、
出展者側に話を聞くと、展示会に出展しても、
手間とお金がかかるばかりで「効果が得られない」のだという。
多額の費用をかけて作ったブースで来場者の名刺を集めても、
蓋を開けてみれば、競合企業ばかりで、
自社のターゲット足りうる見込み客が少なかったり、
あるいは、展示会後のフォローが行き届かなかったりで、
投資に見合う効果が得られないというのだ。
ちなみに弊誌に連載されているシンフォニーマーケティングの
庭山さんの記事には、展示会で集めた名刺をどうフォローするか、
というテーマが頻繁に登場する。玉石混交の名刺の山を、
きちんと整理してデータベース化すると同時に、
見込み度の高低に分類し、高いものを営業担当者に引き渡す一方、
低いものはたとえば定期的にメルマガを送るなどして、
潜在化しているニーズを掘り起こし、
機が熟したところで営業担当者に引き渡すというのが氏のお奨めだ。
逆に言えば、多くの企業は、玉石混交の名刺をそのまま
営業担当者に渡してしまい、営業効率の悪さに営業が嫌気したり、
中にはフォローが手付かずだったりするようだ。
そんな中、先日、展示会主催を事業の柱のひとつに据える、
ある企業の担当者に合った。彼によると、
かつては同社における稼ぎ頭だった展示会事業は、
このところご多分にもれず、一時期ほどの勢いを失っている。
そこで、展示会出展の準備→当日の運営→フォローにより、
いかに出展効果を上げるか、というセミナーを開催したところ、
FAXやネットによる告知だけで申込みが殺到し、
DMの印刷が上がった頃には満員御礼という異例の事態になったらしい。
個人情報保護法の全面施行により、外部リストの活用は難しくなる。
いきおい、新客の獲得は各社にとって大きな課題だ。
そうした中、最近では、ダイレクトレスポンス広告やアフィリエイト、
あるいはメールマガジンの発行などが注目されている。
しかし展示会が、多くの見込み客と出会える場であることは、
今も昔も変わりはない。そうした中、水面下では、
これをいかに有効活用するかという取り組みも、開始されているようだ。
総合展示会
2005年2月23日