春一番

2006年3月7日

東京は先週の土曜日から良いお天気が続いており、
いよいよ春らしくなってきた。昨日は、春一番が吹いたらしい。
夕刊を見てそのことを知ったぐらいなので、
今年の春一番はたいしたことなかったのだろう。
突風と言えば、以前、こんなことがあった。
時は3年ぐらい前の秋。所はシカゴ。
当地で開催された米国ダイレクトマーケティング協会の
年次大会に単身、出向いたときのことだった。
シカゴと言えば突風が吹くことで有名だが、
私はイベントの最終日の午後を勝手に「自由観光」と決め、
前日にシカゴの街を見物する遊覧船のチケットを購入した。
そして翌日、お天気には恵まれたものの、シカゴの街は、
私が滞在した数日間で最も激しい突風が吹き荒れていた。
そこで、タクシーで船着場に行こうと決めた私は、
運転手にチケットを見せて確実に目的地にたどり着こうと、
チケットを握り締めたまま大通りに出た。
すると、タクシーを待っている間に、
ふとしたはずみで、手に握り締めていたはずのチケットが、
突風に飛ばされてしまった。必死で追いかけたが、
それはあっという間に空を高く舞い、
もはやシカゴの空を仰げども、行方もわからない有様だった。
どうしよう・・・・・・。
慣れない海外でのことだけに、私はかつてないほどに困惑した。
しかも、すでに舟の出航時間は迫っており、悩んでいる暇はない。
ひとまず、行くだけ行ってみよう!
交渉しても駄目なら仕方がないと覚悟を決め、
どうやって交渉するかを頭の中で復唱しつつタクシーに乗った。
チケットがなくてもなんとか目的地にはたどり着いたが、
船着場はかなりわかりにくく、
時間がない中でビルの中をウロウロ。
ようやく私が乗る舟の窓口にたどり着いたときには、
すでに出発時間が1分前に迫っていた。
窓口には、年のころ50歳ぐらいの女性がいて、
その後ろにスーツ姿の男性が控えていた。
私はタクシーの中で用意してきたせりふを言った。
My ticket has gone with the wind!
で、どうなったと思います?
その女性は、大笑いした上で私の名前を確認し、
予約客のリストと照合し、すぐに乗船を許可してくれたんです!
すでに遊覧船の出航時刻は2分ぐらい過ぎていましたが、
遊覧船も私のことを待っていてくれました。
嬉しかったぁ!