今日は、月刊「アイ・エム・プレス」2月号の特集のために、
東京工業大学精密工学研究所助教授の奥村学先生にインタビューした。
特集のテーマは、ブログ、SNSなどを駆使したネット上の口コミの
マーケティング活用について。
本特集では、奥村先生のインタビューに加えて、
ネット上の口コミをうまく活用している企業の成功事例を掲載する。
奥村研究室では、blogWatcherというblogの収集・分析ツールを、
2003年度末に開発し、2004年8月に公開に踏み切っている。
blogWatcherは、①ブログを収集するエンジン、
②盛り上がり度を分析するマイニング・モジュール、
③ポジティブVSネガティブの評判を分析するモジュールから
構成されており、2005年5月には改良版の2nd Versionを発表、
現在はこれが公開されている。
マーケティングにおける活用方法としては、
企業や製品に関するブログへの書き込みを収集し、
盛り上がり度や評判を分析するというのが一般的だが、
自社や自社製品の情報のみならず、
競合する企業や製品の情報を収集・分析することも可能だ。
2nd Versionでは、当初はプリミティブだった③の改良に加えて、
ブログのエントリーと関連する新聞のニュース記事を自動検出し、
記事への対応付けを行う機能が追加、
盛り上がりのきっかけとなったニュース記事を特定したり、
新聞社が自社のニュース記事への反応を
手軽に収集することもできるようになった。
2006年4月頃には、これをさらに改良した3rd Versionを発表。
自社製品と競合製品との比較を容易にするほか、
ブロガーのプロフィールを加味した分析も実現する見込みである。
これに伴い、話題を投げかけている主体が明確になるため、
これをクロスした分析が可能になるのはもちろん、
よりきめ細かい調査・分析対象のサンプリングを行うこともできる。
なお、ブロガーのプロフィールは、個人情報保護の絡みから、
ブログの定性情報の中から取得する予定。
まずは、性別からスタートする見込みだという。
ブログの登場と分析技術の向上により、
口コミマーケティングも、大きく進化していくと言えそうだ。
奥村先生インタビュー
2005年12月12日