医療サービス

2005年3月26日

昨日は、午前中が新刊についてのライターへのオリエンテーション、
午後はトップ・インタビューの取材のために恵比寿に出向き、
終了後、同行した社員と昼食をとり、歯医者によってから帰社し、
来客との打ち合わせ、新刊の編集会議、大阪からの来客と食事、
その間に企画書2本、原稿1本チェックと、多忙な1日だった。
今週は「セミナー三昧」を続けていたが、働くときは働くのだ。
そんな中、歯医者の帰りに、ふと思ったことがある。
今、私は歯医者と目医者に通わねばならないのだが、
それぞれの治療がかなり長期に渡るだけに、これは容易なことではない。
特に目医者は会社からも家からも30分以上かかるところにあり、
かつ、超人気であるにもかかわらず、予約制を敷いていないので、
1時間待ちを覚悟しなくてはならない。
なので、本来は月に1回行かなくてはならないのだが、
気が付けばもう半年も行っていない。
となると、医者に怒られるのが見えているので、
さらに足が遠のいてしまうのだ。
一方、歯医者は、会社から徒歩15分のところにあり、
予約制なので、基本的にはきちんと通っているが、
先週は社員の面接をしているうちに、歯医者のことを忘れてしまった。
ちなみにその歯医者は、弊社社員の多くが利用しているので、
私は思わず「うちの者がお世話になっております」と、
社を代表して挨拶してしまったりする。
「歯医者の帰りにふと思った」のは、
“あの歯医者が目医者もやってくれればいいのにな~”ということ。
歯医者と眼医者のワン・ストップ・サービスかぁ・・・と、
頭の中で妄想(?)を膨らませていたら、今さらながらではあるが、
“なんだそれって総合病院じゃない”ということに気が付いた。
では、果たして総合病院に行けば通院が効率化するのか? 
と考えてみると、総合病院は下手したら2時間待ちだし、
歯医者も目医者もとなると、さらに待ち時間が増えるだろう。
処方箋をもらう所でまた小1時間待ったりすることを考えると、
1回に5時間ぐらいは覚悟しなくてはならないかもしれない。
つまり、歯医者と眼医者のワン・ストップ・サービスは、
総合病院というかたちで実現しているものの、
それはちっとも便利なんかじゃなかったのだ。
ここまで考えたところで思った。これって、何かに似ていないか?
そう。コールセンターに代表される顧客サービスだ。
最近では、ワン・ストップ・サービスが声高に叫ばれているが、
結局、入り口の一時受付は一箇所でも、
用件ごとの振り分けや担当への転送が遅かったり、
たらいまわしにあったりするぐらいなら、
用件ごとに電話番号が分かれていたほうがましということになる。
つまり、ワン・ストップ・サービスって、
口で言うのは簡単だけど、実際にはなかなか・・・なのだ。
話を病院に戻すと、そもそも、総合病院の“売り”が、
医療のワン・ストップ・サービスであるという話はあまり聞かない。
では、なんで総合病院があるんだろう? と考えてみると、
もちろん、スケールメリットを生かして、
最先端の医療技術や機器を導入するということはあるだろうが、
加えて、複数の診療科目から患者を総合的に診断することで、
より本質的な治療に結びつけるという視点もあるのではないだろうか。
じゃ、総合的に診断するから「総合病院」と言うのか?
しかし・・・・である。
またもや、これって何かに似ていないか? と私の妄想が膨らみ始めた。
マルチチャネルやCustomer Relationship Managementがそうだ。
ワン・ストップ・サービス同様、これもまた、
口で言うのは簡単だけど、実際にはなかなか・・・の世界である。
ふと気が付くと、私は会社のビルの前に立っていた。
いつもは遠く感じられる歯医者からの道のりは、
妄想のおかげであっという間だった。
そして、エレベーターに乗りながら思った。
来週こそは、歯医者だけでなく目医者にも行こう。