ああ、今週もどっぷり疲れてしまった。[[pict:sake]]
やはり編集の仕事というのは、人間の、しかも頭の作業が多いことから、
スタッフの仕事もなかなかスケジュール通りには運ばず、
そのしわ寄せが最終プロセスにダンゴ[[pict:item8]]になって押し寄せてくる。
直販の出版物の場合、最終の業務プロセスは配送だが、
その前は印刷、その前は校正、その前はレイアウト、その前は校閲、
その前は原稿作成、その前は取材、そしてその前は企画となる。
このうち取材と原稿作成がスケジュール通りにいかないと、
以降のプロセスが「頭の作業」どころか、
さながら肉体労働のようになってくるから困ったものだ。
世の中、モロモロ効率化が進んでいるが、
こと編集業務については20年以上前にワープロが登場して以降、
ほとんどなんの効率化の道具も開発されていない。
脳細胞の多くは活性化されていないといわれているから、
これらを総動員するためのプログラムとか、[[pict:light]]
分身の術とかが開発されない限り、
この問題を本質的に解決する方法はないんだろうな。
あとはまあ、人材とかナレッジのマネジメントの問題ですかね。
でもナレッジといっても、DB化できるのはパーツのみで、
それを組み合わせて意味をもたせる編集はやはり人間の仕事だ。
とまあ、いきなり愚痴っぽくなってしまったが、
こうして出版物直販の業務プロセスを改めて振り返ってみると、
私のアタマの中にひとつの疑問が浮かび上がってきた。
「最後のプロセスは、果たして配送なのだろうか???」
商売上の契約という意味では配送が最後のプロセスに違いないが、
より本質的な意味では、お客さまが梱包を開けて読んでくださることで、
はじめて完了するのではないかと思えてきたのだ。
先日、紹介したサービス・ドミナント・ロジックではないが、
そもそも出版物なんて、読んでいただいてこそ意味があるわけで、
大昔のどこぞの百科事典のように、応接間の棚に飾っておかれたのでは、
お客さまのお宅に不良在庫が眠っているようなものだ。
(あの百科事典の商品分類は出版物ではなくインテリアだったのだ)
ビジネス書や雑誌にしたって、オフィスのロビーや応接室に
まるで飾られているかのごとく置かれている姿を目にする機会は多い。
そこで・・・である。
月刊『アイ・エム・プレス』をはじめとする弊社出版物においては、
お客さまのオフィスや家の不良在庫にならないことを目指したい。
では・・・と山のように返品されても正直、困るのだが、[[pict:hekomi]]
少なくとも社内では“読んでいただいてなんぼ”だと心がけよう。
そのためには、まずはお客さまにとって意味のあるコンテンツをお届けすること、
そしてユーザーフレンドリー(読みやすい)であることが大切だろう。
さらに、出版物はコンテンツそのものが商品だとすれば、
読む人によって、あるいは読み方によって意味が異なるところが
フツーの物販以上に大きいに違いない。
ということは、お客さまにとって意味のあるコンテンツをお届けするためには、
フツーの物販以上に、お客さまのことを理解しなくてはいけない。
そのためにはコンタクトポイントをフル稼働して、
お客さまの声に耳を傾けることが重要だろう。
大手マスコミにしても出版社にしても、
過去の歴史の中ではなぜか偉そうにふるまってきたところがあるが、
弊社ではこんな考え方でコンテンツ・ビジネスを展開していきたい。
ぼちぼち来年のことを考える季節。
来年からの『アイ・エム・プレス』は、これを少しずつでも実践していこう。
出版のマーケティングについての雑感
2008年9月27日