ダイエーの中内さんが亡くなった。
私はお目にかかったことはないものの、
なんだかひとつの時代が終わったな、と思う。
いったい、どんな気持ちだったのだろう? と、
あちこち想像を巡らせてみるが、
それは私のような若輩者に、容易に想像できることではない。
中内さんの死を報じる今朝の日経に
(もう捨ててしまったので、明確なことはわからないが)、
中内さんは流通のインダストリー化を狙っていたと書かれていた。
なるほど、そうなんだろうなと思う。
士農工商と言われた中で、流通がインダストリーになるとは、
商から工へ、そして農へという、目いっぱいの志だったのだろう。
ちょっと前まで、通信販売は、ダイエーに象徴される量販店、
あるいはコンビニに並び称されるようなインダストリーになるか、
ということが、私の周りでの議論のフォーカスだった。
通販の本質は単品の集積。
売上規模100億の単品通販を10個束ねれば1000億。
さらにそれを10個束ねれば1兆。
そんなやりとりからさらに10年を経て、
時代は私達の議論を尻目に、どんどん変化している。
中内さんはそのことをどう思っていたのだろうか。
日本の流通の一時代を築いた大先輩に、
心から敬意を表すると同時に、インタビューはしないまでも、
直接、お前にかかる機会を作れなかったことを、
とても残念に思っている。
ご冥福をお祈りする。
中内さん
2005年9月20日