この休みの間に、電通の秋山隆平さんと杉山恒太郎さんが書かれた
「ホリスティック・コミュニケーション
—-アクティブ・コンシューマーの出現で進化する
広告と販促の世界」(宣伝会議)を読んだ。
ホリスティックとは、西洋医学に対する東洋医学のように、
物事を「部分」ではなく「全体」の関係性から捉えること。
そして表題のホリスティック・コミュニケーションは、
BusinessとConsumerの二者間の関係に終始せず、
Consumer間における口コミの広がりを想定した
コミュニケーション・モデルである。
著者は本書を通じて、インターネットや携帯電話の出現により、
「アクティブ・コンシューマー」が登場したことで、
B to CのワンウェイからB to Cのインタラクティブへ、
そしてB to C to Cのホリスティックへと、
コミュニケーションのモデルが変化していると指摘。
新時代のマーケティング・コミュニケーションのありかたを説く。
本書は以下の五章から構成されており、
同期入社(らしい)以降、一貫して広告畑を歩み続けてきた
2人の著者の対談形式で展開されている。
第一章 アクティブ・コンシューマーの出現
第二章 変化するメディアの役割-ホリスティック広告とは?
第三章 変化するクリエイティブ
第四章 変化するコミュニケーション-ニュー・プロモーションのすすめ
第五章 企業の体制にも変革が必要
本文は、対談形式=直接話法であることに加え、
関連する計11のコラムと3つの企業事例を挿入して
表現方法に変化を持たせていること、
大き目のフォントとゆとりのあるレイアウトなどにより
読みやすく、2~3時間もあれば一気に読めてしまう。
個人的な感想としては、
Web2.0時代を広告会社なりの視点で語っている感じで、
立場の違いは感じるものの、全体の流れとしては共感できる。
が、新たな世界観を打ち出そうとするときに、
過去の類似(?)の概念を発展させるのではなく、
ともすればこれに否定的なアプローチになるのはやむを得ないのか?
他人のことは言えないが、
最近の何とかマーケティング(コミュニケーション)には、
常にそんな感じを抱いてしまう。
ホリスティック・コミュニケーション
2006年8月14日