ネットプライス佐藤社長

2006年4月1日

今週は、先日ご紹介したジュピターショップチャンネルに加え、
もう1社、ネットプライスの佐藤社長にインタビューした。
ネットプライスは、参加人数が増えれば増えるほど
商品価格が安くなるギャザリングで知られるEコマース企業。
インターネット時代の新しいビジネスモデルを構築するべく、
ネットバブルの真っ只中、1999年11月に設立された。
会社のプロフィールに続いて、起業のきっかけをお伺いしたところ、
それまでは顧客参加型でみんながHappyになるビジネスモデルというと、
生活協同組合がその典型だった。しかし生活協同組合は、
生活者を弱者と見なしたモデル。インターネット時代には、
生活者と企業の立場が逆転し、生活者が強者となるのだから、
そうした環境下での同様のビジネスモデルは、
強者とか弱者といった表現ではないという考えのもと、
ギャザリングという表現を採用したのだという。
当時、米国には類似の仕組みを駆使したEC企業が存在したが、
それらは気がつけばなくなっており、
今ではギャザリングを駆使したEC企業では世界NO.1。
顧客参加型という意味では、ライバルはオークションだという。
しかし、オークションが「こんな商品が出ているよ!」と、
他人に話すと価格を吊り上げる結果になるのに対し、
ギャザリングは注文数が多いほど価格が安くなるので、
口コミを誘発しやすい
のだという。
なるほど! と思った私は、
「なぜこんなにすばらしいアイディアが沸いてきたのだろう?」と、
ご自身の経歴をお尋ねしてみた。
すると、起業に至るまでの佐藤さんのご経験の中で、
“インターネット”と“商売”が重要な位置を占めていることが判明。
前者については、学生時代をインターネット使い放題の
慶應の藤沢キャンパスで過ごされたことに加え、
社会人になってからも、ソフトバンクの北尾さんのもとで
米国企業の日本への誘致に携っておられたとのこと。
また、商売という意味では、ご実家がローカルの商家で、
幼い頃から客商売を目の当たりにしてこられたのだという。
つまり、このご両親から授かった商人のDNAと、
ご自身で獲得されたインターネットに纏わる知識や経験が、
前述したようなギャザリングのアイディアに帰結したのだ。

米国のネット企業との提携や買収に明け暮れているうちに、
商売がしたくなったというご発言には、思わず納得!
しかし、サイトの更新は毎日、商品の入れ替えは週1回という
同社のビジネスには、大量の業務を高速処理することが求められる。
さぞかしスタッフのストレスも溜まるのでは? 
と、ちょっといじわるな質問を投げかけると、
そこはお客様の感謝の声こそがやりがいであり、
インターネットでは、企業の側にスピードが求められるのと同様、
お客様の反応もスピーディに入ってくるとのことだった。
お客様の満足の結果とも言える売上高は毎年1.5倍ずつ増加。
今後が楽しみな、志の高いネット企業だと感じた。
詳細は、5月25日発行号の月刊「アイ・エム・プレス」で。