昨日は、オートバイテル・ジャパンにトップ・インタビューを行った。
ご存じの通りオートバイテル・ジャパンは、新車の購入を検討しているユーザーに
ネット経由で新車情報を提供し、見積もり依頼を受け付け、
この情報を最寄(またはユーザーが希望する地域)のディーラーに引き渡し、
当該ディーラーからネット経由で見積もりを送るビジネスを展開している。
ユーザーにとっては、わざわざ複数の店舗に足を運ぶことなく、
メーカーや系列を超えた新車がワンストップで比較購入できることが最大のメリット。
サイト上にはカタログのみならず、同社の独自編集記事やブログなど、
さまざまな情報が掲載されており、これを車種別に検索することができる。
一方、ディーラーは、所定の加盟金と紹介ベースでの成功報酬を支払うことで、
同社サイト経由での見込客開発を行うことができるわけだ。
同社によると、創業当初は国内に5社ほどの競合企業が存在したが、
すでにそのすべてがこの分野から撤退しているとか。
加登社長に成功要因をうかがったところ、答えは「継続」の一言。
ですから、その継続が実現した要因が知りたいのです、
としつこく畳み掛けても、返ってくるのは同じ答えばかりだった。
同社のビジネスモデルそのものは誰でも真似ができる。
しかし、圧倒的な加盟ディーラー網にしても、
また、ユーザーとのインターフェースであるサイトにしても、
それは何らかの画期的な仕組みにより実現したものではなく、
同社の地道な努力の積み重ね以外の何者でもない。
だから、加登社長は“成功要因は「継続」”と回答されたのであった。
昨日は1時間ぐらいお話をお伺いしたのだが、
中でも印象に残ったのは、特定ディーラーとのプロジェクトにより、
見積もり依頼から成約に至るまでの3段階の転換率の目標値を設定し、
これをクリアするべく見積り依頼のスクリーニングに注力すると同時に、
情報システム面、教育面でのディーラーサポートを徹底していること。
スクリーニングとはすなわち、からかい半分のリードを排除することであり、
ディーラーサポートとはすなわち、迅速で適切なユーザー対応により、
ユーザー満足度を高め、ひいては成約率を高める取り組みである。
最近では、サイト訪問者の質が問われ始めている。
また、せっかくサイトを通して大量の見込客を獲得しても、
フォローがままならずに宝の持ち腐れとなっている企業も多いだろう。
そうした中、紹介ベースでの課金システムを採りながらも、
ただひたすら見積り依頼者の量を追求するのではなく、
ユーザー満足とディーラー満足の双方を見据えて「継続」する同社は、
現在のネットビジネスの半歩先を行く品格のある企業だと思った。
オートバイテル・ジャパン 加登社長へのトップインタビューは、
月刊『アイ・エム・プレス』11月25日発行号に掲載されます。
オートバイテル・ジャパンにトップインタビュー
2007年10月18日