明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
2015年になって2日目、痛感するのは、Twitter、Facebook、Lineと新たなメディア/プラットフォームが次々と登場する中で、お年賀のコミュニケーションにもこれらが総動員されるようになっているということである。お世話になっている方に年賀状をお送りした上で、新年に改めて電話を掛けたり、あるいは年始に行って、改めて「明けましておめでとうございます」と挨拶をしたりするということは以前からあったが、今ではこの郵便と電話、対面に、eメールやさまざまなソーシャルメディアが加わり、まさにオムニチャネル状態になっているのだ。
こうした中、伝統的なお年賀コミュニケーションとの違いに違和感を覚えたり、対処方法がわからずに困惑したりするような局面も少なくない。
そのひとつは、日常的なコミュニケーションと並行して、また別のコミュニケーション・フローが構成されてしまうことだ。年賀状はそもそも、12月後半にポストに投函したところで、相手の目に触れるのは新年になる。今ではその間にFacebookなどで相手とやりとりするケースも多く、そうした際に「○○さんには先日、新年会やりましょうとお伝えしたばかりだから、ついでに新年会の日程を決めてしまおう」などと思ったりするのだが、よくよく考えれば「それは年賀状に書いたメッセージだから、まだ相手は知らないのだ。(汗)」みたいなことになったりする。つまり、年賀状の投函から配達に至るリードタイムの長さが、現代のコミュニケーション環境に馴染まない面があるわけだ。
もうひとつ、コミュニケーションをめぐる環境が整備されたことで、お年賀が乱発されているような気がするのは私だけだろうか? インターネットやパソコンはもちろん、スマートフォンがかくも普及したことで、いつでも、どこでも、どのようにでもコンタクトできるようになったのはB to CのみならずC to Cも同じこと。そうした中、Facebook上などでは新年を迎えるや否や、深夜のうちにお年賀のやりとりがなされ、そして元日の朝を迎えると、再びその火ぶたが切られる。同じメディア/プラットフォームで、同じ相手に何度もこれを繰り返すというのは、年賀状を暮れのうちにお送りしたことを忘れて、相手から送られてきたのを機に、再度、年賀状をお送りしてしまうのと同じで、どこか失礼な感が拭えない。
冒頭で述べたように、年賀状を送付した上で、新年に電話で、対面で、そして今ではソーシャルメディアで新年の挨拶をするというのはわかる。特に年賀状には前述の通りタイムラグが生じるので、お世話になっている方や、親しい友人などには、リアルタイムでのコミュニケーションができるチャネルでこれを補うのは、むしろ好ましいことだろう。しかし、例えば通常は年賀状に先駆けて年始に行きはしないように、そこには何らかのコモンセンスがあるわけで、従来からのチャネルにTwitterやFacebook、そしてLineを交えた、今日のオムニチャネル環境におけるお年賀コミュニケーションは、まさにそのコモンセンスを模索する渦中にあるように感じられた。
オムニチャネル環境におけるお年賀コミュニケーション
2015年1月2日