過日、私が取引しているある都市銀行から、
通帳にまとめて記帳されている取引履歴の明細をもらう必要が生じた。
明細が必要な期間からすでに半年ぐらいを経ていたので、
まずは電話で尋ねてみようと、最寄の支店に電話してみた。
すると驚いたことに、今やその銀行は、
支店にまでIVRが入っており、プッシュボタンで選択しないと、
問い合わせへの回答にたどり着けない仕組みになっていた。
「取引履歴の明細についてのお問い合わせは○番」だなんて、
そんな選択肢があるわけはないので、何番を押せばいいのかわからない。
それらしき番号を押してみると、またもや自動音声が流れてくるので、
これは直接聞いたほうが早いと思い、支店に出向くことにした。
久しぶりに支店の窓口に行くと、店内はすっきりと改装されており、
入り口に案内係と思しき年配の女性がいた。
そこで、私はその女性に通帳を見せつつ用件を申し出ると、
専用の申込書を渡され、そこに必要事項を記入するように言われた。
申込書に記入した上で列に並び、カウンターの前で待つこと10分。
ようやく私の番になると、受け付けの若い女性が、
通帳と申込書を再確認した上で、過去の取引履歴の明細は、
通帳の発行店まで行かないと入手できないと言う。
(私が出向いた最寄の支店は通帳の発行店とは異なる)
えーっ? 案内係に確認して、申込書まで記入したのに!
それでもその女性は親切で、急いでいる私のために
通帳の発行店に電話して、スピーディに明細が受け取れる方法を、
尋ねてくれるという。彼女の機転の利いたサービスに
気を良くした私は、さらに待つこと10分。
すると今度は彼女の「上司」とやらが出てきて、
「過去の取引履歴の明細は、通帳の発行店まで行かないと・・・」と、
さっき聞いたのと同じことを繰り返す。
そうではなくて、どうすればスピーディに明細が入手できるか、
発行店に電話で確認して欲しい旨を改めて伝え、待つこと20分。
電話をかけてIVRのコールフローの中で迷子になり、
問い合わせへの回答にたどり着けなかった私は、
支店に出向いても結局、40分も迷子になってしまった。
その後、発行店に出向いて、そこでまた20分待ち、
私の待ち時間は都合1時間。
なんだか、米国に比べるとかなりレベルが高かったはずの
日本の顧客サービスも、だんだん怪しくなってきた気がする。
ITがこれほど進化しているにもかかわらず、である。
ある銀行で
2006年3月20日