最近、Googleが紙DMを活発に活用しているようだ。
私のところには確か7月と9月に計2回、異なるクリエイティブのものが届いた。
米国のアマゾンやeベイなどのネット系企業が
紙DMの利用を開始したことが話題になったのは今から2~3年前。
その後、不況の到来により再び利用が減少していると聞くが、
最初にGoogleのDMを受け取った時には、
Google=ネットと言ってもいいほどの存在だけに、
これもこうした一連のムーブメントの一環かなと思った。
しかし、よくよく考えてみると、これは同社の検索連動型広告である
「アドワーズ」の利用促進を狙ったB to BのDM。
むしろ、ネット広告の伸び率が低下傾向にある中で、
紙DMにより新規顧客を開拓しようという試みと見たほうが良さそうだ。
ネット系企業がすでに検索連動広告を利用しているとすれば、
同社の新規顧客開発におけるターゲットは、
これまでネットの利用に消極的だった企業のはず。
そして、こうした企業にアプローチするためには、
紙DMが格好のメディアだと判断したのだろう。
つまり、日本における検索連動型広告も第二ステージに入ったということか。
さて、9月に受け取ったGoogleのDM(写真)は、
さながら公共機関や金融機関からの事務連絡のような封筒に納められたもの。
封入物は、レターとブロシュア(パンフレット)の2点で、
レターの下部には「貴社専用プロモーションコード」が印字された
5,000円分の「アドワーズ 広告無料お試し券」と、
問い合わせ方法などが記されている。
お試し券といっても、申し込みはネットで行う仕組みなので、
お得さを演出するためのクリエイティブの仕掛けに過ぎない。
そしてブロシュアは、A4版・2ページを3つ折りにしたもので、
“グーグルの検索連動型広告でビジネスを活性化させませんか?”
というキャッチコピーのもと、前述のオファー(広告無料お試し券)と、
商品の説明、ユーザー事例、申し込み方法に加え、
問い合わせ先の電話番号(フリーダイヤルを活用)などが記されている。
レター、ブロシュアを一瞥して痛感するのは、
ターゲットにはネットの利用に消極的な中小企業を想定していると見えて、
ユーザー事例にもそうした企業を取り上げると同時に、
検索連動型広告というちょっと複雑な商品を
いかにわかりやすく伝えるかに留意しているということ。
そして、すべてを伝えようとすると話が複雑になり、
ターゲット顧客の閲読率が下がることを想定したのだろう。
大枠のみを伝えて、あとはコールセンターに問い合わせてもらう、
という仕組みが採られているところもなかなかである。
あのGoogleが紙DMに注力!
2009年9月29日