昨日の「続きはWebで」についてのブログを書いていて思い出したことがある。
それは、数年前から見かけるようになった「詳しくは明日の朝刊で」である。
こちらもテレビCMの話で、広告主は通信販売や通信教育の企業が多い。
通信教育であれば、テレビCMで通信教育講座の教材が届いたときの様子や、
楽しそうな学習風景を紹介し、他にも色々な講座があることを匂わせたところで、
「続きは明日の新聞で」といった具合。
もうかれこれ3年ぐらい前のことだろうか、この「詳しくは明日の朝刊で」を
実施している企業の社長にインタビューを行ったことがあるが、
社長は「最近、新聞広告のレスポンスが以前と比べて減っており、
こうしてテレビCMと組み合わせないと効率が悪いんですよ」と言われていた。
月刊「アイ・エム・プレス」2006年8月号の特集、
「インターネット時代のテレビショッピング新潮流」で
(社)日本通信販売協会/理事・主幹研究員の柿尾正之さんに
インタビューを行ったときにも、同様のことを言われていたっけ。
つまり、昨今、ブームとも言える現象をもたらしている「続きはWebで」には、
「詳しくは明日の朝刊で」というお兄さんがいたということだ。
こうした「続きは」系の複数メディアが連携した広告を、
最近ではクロスメディアと呼んでいるようだが、
よくよく考えてみれば、「詳しくは明日の朝刊で」に限らず、
テレビや新聞のダイレクト・レスポンス広告で、
カタログやサンプルの請求を訴求し、これを送付した上で注文に繋げる、
いわゆる2ステップ形式の通信販売だって、
「続きはカタログで」「続きはサンプルで」だったりするわけで、
「続きはWebで」にはWebというメディアの新しさはあるものの、
クロスメディアそのものは古くからある手法なのだろう。
ちなみに、「Web2.0時代の口コミマーケティング」を特集する
月刊「アイ・エム・プレス」3月号(2月25日発行)では、
専修大学 経営学部の新井範子先生にインタビューを行ったが、
ここでもクロスメディアの話がちらっと登場する。
先生は「続きはWebで」系テレビCMを見て
Webに行ったことのある人は3割程度と言われていたが、
ジャパン・インターネット・コムが類似の調査を行っている。
もしかするとそのうち、お兄さんの「詳しくは明日の朝刊で」は、
Webの普及と共に弟の「続きはWebで」に天下を取られるのだろうか。
それはCPO(Cost Per Order)とかCPI(Cost Per Inquiry)次第だから、
先行企業はすでに色々なテストを開始しているのかもしれないな。
新旧の「続きは」系広告で、特集でも組んでみようか。
「詳しくは明日の朝刊で」
2007年2月3日