最近、「続きはWebで」というテレビCMが増加している。
月刊「アイ・エム・プレス」1月号でも、ある編集スタッフが、
顧客接点ごとのコラム「ふぉーかす」に、このテーマで原稿を書いていたが、
ここにきてマーケティング関連のブログやmixiのコミュニティでも、
このテーマが盛んに取り上げられているようだ。
弊誌のスタッフが書いたコラムでは、
「続きはWebで」に誘われてサイトを訪問するという行為は、
視聴者にとってかなりハードルが高いということや、
実際にサイトを訪問しようと思っても、
環境によっては重たくて見るのが大変といったことに言及していた。
また昨日は、Webマーケティングガイドで、
「続きはWebで」と書いただけで責任を果たしたつもりになってはいけない、
マスとWebの架け橋となり、人を動かすクリエイティブ力が重要
といった主旨のコラムを目にした。
確かに「続きはWebで」に惹かれて実際にWebサイトに行ってみたら、
テレビCMとは異なるイメージの画面が表示されたり、
ましてや関係ないコンテンツが登場したのでは、
そもそも「続きはWebで」なんて言わないほうがましである。
テレビCMの続きが気になって、その企業のWebサイトを訪問し、
あれこれ見た上で、今度は詳細を問い合わせようということになると、
その先にはコールセンター/コンタクトセンターが繋がっている。
「続きはコールセンターで」である。
そして、「じゃあ、買ってみようかな!」ということになると、
通信販売ならそこ(コールセンター)で注文もできるだろうが、
店頭販売の場合はさらに店舗が繋がっている。
つまり、「続きは店舗で」。
こうして顧客の意識の動線をなぞっていくと、
いわゆる顧客接点は一筆書きのようにすべて繋がっている。
企業にとってのハッピーエンドは商品にたどり着くことだが、
その商品とて1人1人の顧客の生活の中で、
日々、喜怒哀楽をもたらす大切な顧客接点。
「喜」とか「楽」をもたらせばリピートオーダーに繋がるし、
「怒」とか「哀」をもたらせばクレームを生む。
つまり、マーケティング活動を顧客の視点から見ると、
広告など→続きはWebで→続きはコールセンターで→続きは店舗でと、
すべてがひと繋がりになっているのだ。
しかし、企業側の組織は、顧客接点ごとに分かれていることが多いから、
それぞれの組織で思惑が異なったり、
各々がライバル関係にある場合もあるだろう。
加えて、同じ企業内の組織ならまだしも、
顧客接点にかかわる業務にはアウトソーシングされるものも多い。
広告であれば広告代理店や広告制作会社、WebであればWeb制作会社、
コールセンターであればテレマーケティング・サービス・エージェンシー、
そして店舗は店舗の企画・設計会社や人材派遣会社等々といった具合だ。
社内の組織もさることながら、これらのアウトソーシング企業も含めて、
この「続きは」の連鎖にかかわる全員が、
お客様の視点に立って、手に手を取り合っていかなければ、
「続きは」にハッピーエンドはない。
商品を製造・販売する企業も、またこれを請け負う側も、
社長も役員も社員も一体となって、
このことをきちんと腑に落としてそれぞれの仕事をすることが大切。
そうすれば「続きは」の先に、みんなの幸せが見えてくるに違いない。
このテーマについては、もう少し書きたいことがあるが、
もう出かけなくてはならないので、「続きは」明日のブログで!
「続きはWebで」ブームに思う
2007年2月2日