自社ターゲットと親和性の高いソーシャルメディアを活用して集客の効率化を実現

(有)ネットタワー

スイーツショップ「パールレディ」を展開する(有)ネットタワーでは、2013年4月から販売促進施策の一環として、LINE(株)が提供するビジネスアカウント「LINE@(ラインアット)」を運用。クーポンの配信などにより、店舗への効率的な集客を実現している。

女子中・高生をメイン・ターゲットとするスイーツショップの販売促進施策に「LINE @」を活用

 タピオカ入りドリンクなどを提供するスイーツショップ「パールレディ」を展開する(有)ネットタワーでは、販売促進施策の一環としてLINE(株)が提供するビジネスアカウント「LINE@(ラインアット)」を活用。高い集客効果を実現している。
 パールレディは、2000年からタピオカの製造・販売事業を展開するネットタワーが、2002年からアンテナショップとして運営するスイーツショップだ。メニューはタピオカ入りドリンクやアイス、台湾風カキ氷、タピオカ入りの生地を使ったクレープなどで、単価は200~ 300円台が中心。顧客の大半は女性であり、その中でも中高生が中心となっている。2013年11月現在、日本国内では首都圏、東海・北陸・関西地方、および北九州市で26店舗を展開。さらに2012年10月からは中国・常州市で海外1号店を運営している。運営形態は直営が中心であるが、一部フランチャイズ展開も実施。店舗立地については当初は路面店が多かったが、近年では商業施設内のテナント出店が増加している。
 パールレディの販売促進施策としては、従来、チラシ配布やイベント、ポイントカードなど店頭発信のものが中心であったが、インターネットの活用にも取り組んでおり、2009年にはWebサイトをリニューアルするほか、店長ブログの運営を開始。ソーシャルメディアについても2012年からFacebookページを開設し、顧客コミュニケーションの活性化と情報発信による集客力向上に取り組んできた。
 しかし、前述の通り、パールレディの中心顧客層は女子中高生であり、これらの層とユーザーの年齢層が比較的高いFacebookの親和性は必ずしも高いとは言えないことから、思ったような成果が上げられずにいた。その中で同社の販売促進担当者が2013年3月に知人から紹介されたのが、LINEが2012年12月から提供を開始した店舗・メディア・公共団体向けビジネスアカウントLINE@である。

コスト・パフォーマンスの観点からエリア別アカウントを採用

 LINEが提供する無料通話・無料メールスマートフォンアプリ「LINE(ライン)」は、2013年4月30日時点で世界の登録ユーザー数が1億5,000万人を突破。日本国内でもスマートフォン・ユーザーの多くがダウンロードするアプリとなっており、特に若年層では利用が一般化し、コミュニケーションのインフラのひとつとなっている。従って、同店のユーザー層である女子中・高生の多くが利用していると見られ、親和性が非常に高いと想定された。このような観点から、同社では社内検討を経てLINE@のアカウント開設を決定。2013年4月下旬から運用をスタートした。
 同社では運用開始に先駆けて、いかにコスト・パフォーマンスを向上するかを検討。LINE@の1アカウント当たりの講読者数が1万人までに設定されていることと、自社店舗の顧客数などを鑑み、全国統一アカウント、店舗別アカウントではなく、エリア別アカウントという考え方を採用。当初、旗艦店である新宿店・原宿店の顧客をメイン・ターゲットとする「東京エリア」、特に中高生の人気が高い大宮店の顧客をメイン・ターゲットとする「埼玉エリア」、さらに開店から間もなく、認知率の向上がテーマとなっていた北九州市の小倉店にフォーカスした「九州エリア」という3つのエリア別アカウントでの運用を開始した。
 運用開始後は店頭でカードサイズのチラシを配布するほか、レジと受け取りカウンターに設置したQRコード付きステッカーやPOPなどでアカウントの開設を告知。運用開始から間もないゴールデンウィーク後半には5月1日から10日まで使える登録記念の「100円引きクーポン」を配信した。その結果、新宿店・原宿店では登録者の13%、大宮店では実に27%が再来店するという成果を得られたことから運用を本格化し、月1回の「50円クーポン」や来店時にノベルティ・グッズをプレゼントするクーポンの配信といった取り組みを進めていった。さらに、2013年8月からは対象を国内全店舗に拡大。現在では全国の店舗を6エリアに分け、それぞれのエリアでアカウントを運用している。

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店頭のPOPでLINE@の登録を促進し、期間内に何度でも使えるクーポンを配信

期間限定商品の売り上げが運用前の3倍に拡大

 同社の6つのLINE@アカウントの運用は、すべて本部のパールレディ事業部 販売促進チームの担当者が行っている。これは運用負担の大きさからエリア・店舗の担当者レベルでは安定的な活用ができない可能性が高いという判断によるものであり、統一したトーン&マナーを守りながら各エリアにおける店舗の状況、顧客の特性などを考慮した運用を行っている。
 実際の運用においては、効果的な運用方法を探ってさまざまな試行錯誤を繰り返してきた。例えば、最大では2日に1回のペースで行っていた情報配信は、頻度が高すぎるとせっかく登録してくれた「友だち」(情報受発信の許諾者)から「ブロック」(受信拒否)されてしまうことが多いという判断から現在では月3~4回程度とし、情報発信タイミングについても、さまざまなトライアルの結果、中高生の昼休み中の12時20~30分ごろや放課後の17~18時ごろを中心に行うようにしている。また、情報発信の手法についても着信を知らせるプッシュ通知のある「メッセージ」の利用は月1回の新メニューのお知らせなどに限定し、アカウントのホームに情報を投稿し、「友だち」のタイムラインに表示する方法を基本とすることで、“押し付け”感を軽減し、「ブロック」の発生を抑制している。
 さらに、配信するクーポンの内容についても、当初はクーポンが使用されると「使用済み」とする方式を採っていたが、店舗によっては通信状態などから不具合が生じるケースがあったことから、対象期間中、何回でも使えるようにした。
 このような取り組みの結果、同社LINE@アカウントの「友だち」数は、6エリア合計で2万人を突破。全商品対象のクーポンでは配信数の20%、商品を限定したクーポンでも配信数の2~3%が利用されており、このクーポンの効果などから、期間限定商品の販売数が、LINE@アカウント運用前の約3倍に達するという成果を獲得しているという。

ほかのソーシャルメディアやWeb サイトとの連携を促進

 さらに同社では、LINE@とそれ以外のソーシャルメディアやWebサイトとの連携にも積極的に取り組んでいる。例えば、LINE@を通じて実施した、「好きなタピオカ入りドリンク」に投票する企画では、投票の集計結果をFacebookページに掲載。LINE@のタイムラインを通じて告知することで同ページへの誘導を図っている。WebサイトについてもLINE@経由のアクセスを意識し、より詳細な情報が提供できるよう情報掲載方法の工夫を行っている。
 さらに2013年9月にはTwitterアカウントも開設。今後もLINE@、Webサイト、Facebook、Twitterそれぞれの特性を生かしつつ連携を図っていくことで、より効率的な販売促進の実現につなげていきたい考えである。


月刊『アイ・エム・プレス』2013年12月号の記事