フランス語がわからなくても大丈夫

シリリュス


 英語はなんとか読めてもフランス語は…。英語圏以外の場合、日本に進出するためには何らかの方法で言葉の壁をクリアする必要がある。
 フランスではハイクラスの人々が好んで身につけるブランド、シリリュス。子ども服を 中心に、 親子で、ファミリーでコーディネートできる着やすく上品なタウンウェアをラインナップしている。同社では 93年初めから日本市場のリサーチと日本でのパートナー探しを進めていた。これをサポートしたのが、現在同社の日本の窓口を担当している(株)プロトン 。 1989年の設立以来、フランス企業の日本進出を支援してきた企業である 。
 シリリュスはフランスをはじめとするヨーロッパ にブティックを30店舗持っている。約70% がこれらの店頭での売り上げで、残りの約 30% がカタログ通販による。同社は日本進出に当たっても、店舗と通販の 2 本立てで事業を展開したいと考えていた。しかし日本で店舗展開するには、コストがかかり過ぎる。一方でその間『JJ』や『25ans』で同社の商品が紹介され、フランスへの問い合わせが急激に増えていた 。そこで94年1月、進出の第一歩として通販窓口を日本に設置した。
 カタログはフランス版、ベルギー版、スイス版、ドイツ版とEXPORT版が発行されているが、 日本に送られるのはEXPORT版で本文はフランス語で表記されている。これに日本語で書かれた申込方法についてのパンフレットとオーダーフォームが同封される。EXPORT版は16万部発行されているが、そのうちのほとんどが日本宛てに送られているという。
 現在日本の窓口で行っている業務は、カタログ請求受付、問い合わせへの対応、および返品・ 交換手続き。I.B.M. のAS400を専用回線で本社のホストコンピュータと接続して前日時点での在庫状況が検索できるシステムがすでに出来上がっており、将来は受注業務を実施することも検討している。
 カタログは1月と7月の年2回発行。 個人輸入のムック2誌に広告を掲載してカタログ請求を募っているが、『YOU NEW』 の反応がよく、1日 2,000件のカタログ請求を受け付けたこともあるという。広告に添付するハガキでの請求が約 60% 、電話と FAX がそれぞれ約 20%である。請求者リストは1日単位でまとめ、オンラインでフランス本社に送られる。ユーザーは30代が約55% 、20代が約29%で、40~50代が中心のフランスよりも若く、未婚女性も少なくい。売上高構成比は数量ベースでは子ども服が約70% 、金額ベースでは子ども用と大人用が約半々となっている 。 日本のユーザー数は数万人。 現在も新規ユーザーが着々と増えているという 。

ファミリーでヨー口ピアン・シックを楽しめるシリリュス

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月刊『アイ・エム・プレス』1995年12月号の記事