子どもにとって一番いいものを

ハナアンダーソン


 ハナ・アンダーソンの設立は 1983 年。コットン 100%にこだわり、子ども本来の美しさが映え、着やすく洗濯に耐える上質な日常着を提供している。同社は年間トータルで 1,500 万冊以上のカタログを発行し、世界 80 カ国からオーダーを受け付けているが、 1993 年に日本市場は米国に次ぐ第 2 位のマ ーケットになった。そこで今年 1月、日本にサービスセンターを設け、問い合わせ・注文の受け付けを開始した。
 もともと同社が日本で知られるようになったのは、米国に長く住んでいた経験のあるひとりの母親の口コミから。子どもに着せていた同社の商品が友人の問で話題になり、 88年頃からグループを作ってまとめて発注するようになった。このようなグループが全国各地に自然発生的に生まれており、社長のグン・デンハート氏は来日するたびに彼女たちに会い、ニーズを吸い上げている。
 カタログ請求は女性誌、育児雑誌、個人輸入のムックなどに広告を出稿して募っているが、現在日本に送られているカタログは毎号約 14 万部。今年東京で1月と9月の2回、東京近郊の顧客とその友人・知人を対象に展示会を開催したが、来場者数は各回約 1,000組、3,000人に上り、ここで獲得された新規顧客も多い。ユ ーザーは 0~3 才の子どもを持つ 25~35才の女性が中心だ。

ハナ・アンダーソンの商品は、アレルギーの子どもにもやさしい

ハナ・アンダーソンの商品は、アレルギーの子どもにもやさしい

 コットンは縮むのが自然。 同社の商品は縮みを防ぐ薬品を使っていない。“細かい”日本のユーザーからは「洗濯すると何センチ縮むか」といった質問も多く、サービスセンターではデータを用意して対応している 。
 ハナ・アンダーソンでは社会貢献の一環として顧客が不要になった商品を引き取ってチャ リテイに寄贈し 、顧客には購入した価格の 20% に当たる割引クレジットをバックする“ハナダウン・プログラム”を実施している。しかしいまや、おさがりを人に譲るのは失礼だというのが日本人の感覚。同社では日本に受け入れられる新たな社会貢献プログラムの策定も考えているという。


月刊『アイ・エム・プレス』1995年12月号の記事