試行錯誤でスタイルを確立

ウィリアムズ・ソノマ


 ウィリアムズ・ソノマはサンフランシスコに本社を構える米国の家庭用品トップブランド。 1988 年に東急百貨店 81% 、ウィリアムズ・ソノマ 19% の出資により日本法人を設立し、全国の東急百貨店に 13 の店舗を展開するとともにカタログ通信販売を行っている。売上高構成比は店舗が 65% 、通販が 35% 。店舗が約 2,000 点の商品を扱っているのに対し、通販カタログには約 200点を掲載。通販では平均して l 人が約 3 点、約 l 万 3,000 円を購入する 。
 設立当初はブランドの認知度が低く、顧客開拓に苦労した。まず東急百貨店の顧客にカタログを送付したが、予想を大幅に下回るレスポンスしか得られなかったという。そこで銀行系クレジットカードの会員誌に通販広告を出稿したり、米国の百貨店のリストを使ってカタログを送付したりとさまざまな試みを行ったが、『LEE』や『クロワッサン』 などの女性誌に定期的に見開きで出稿を続けた通販広告が次第に効を奏し、固定客が増えていった。顧客の約 75%が 30~40 代の女性。

ウィリアムズ・ソノマのコンパク卜なカタログには生活を彩る商品が満載

ウィリアムズ・ソノマのコンパク卜なカタログには生活を彩る商品が満載

 カタログは年 5 回、各25万部の発行。 210mm ×114mm、40ページで定型封筒に入れて送付している。米国版カタログから炊飯器や蒸し器など日本にすでにあるオリエンタルな商品をはずし、一定価格以上のものをピックアップする。ベ ーシックな商品を主体に、毎号30 ~40% を入れ替えているという。売れ筋だけを追うことはせず、見開き単位でテーマを設け、ストーリーのあるカタログづくりを心がける。人気商品はクッキー型、ディナーウェア、キッチン用小型収納家具など。金額ベースでは電化製品がトップだ。
 商品は商品センターに在庫があれば注文から約 1 週間で納品できる。しかし品切れの場合には再度米国から商品を買い付けなくてはならない。「海外製品の場合には特に販売予測が重要」と営業部統括マネジャーの内田澄夫氏は言う。
 同社ではこの春から日本語版カタログの制作・印刷を米国で行っている。本社との連動体制がとりやすい上、コストを低く抑えられるからだ。発送については、顧客データベースの形式の違いなどから当面は日本で行う体制をとっていく。


月刊『アイ・エム・プレス』1995年12月号の記事