コンタクトセンター最前線(第141回):セルフサービスと人的サービスを組み合わせて効率化と顧客満足の向上を推進

ぴあ(株)

チケット販売やエンターテインメント系情報誌の出版を手掛けるぴあ(株)は、お客さまからのコールに東京本社のコールセンターでワンストップ対応。チケット予約には自動予約システムで対応する一方、多岐にわたる問い合わせにはオペレーターが対応することで、効率化と顧客満足を推進している。

音声応答によるチケットの自動予約システムを1993年に導入

 ぴあ(株)の歩みは、創業者で現代表取締役社長の矢内廣氏が大学在学中の1972年に映画やイベントなどエンターテインメント情報の月刊情報誌『ぴあ』を創刊したことに始まる。その後、1974年に同社を設立。情報誌の出版事業を通じて、イベントや公演のチケット販売に対する潜在的なニーズを見出し、1984年には、「チケットぴあ」のサービスをスタートさせている。
 それまで、コンサートや演劇などのチケットは、各地のチケット取扱店を中心に流通していたが、一般に、希少なチケットが「どこで入手できるか」が把握しづらい、また、購入する店舗や地域によってチケットの在庫状況が異なるといった難点があった。これに対して同社では、大量の公演、座席情報をコンピュータで一元的に管理することにより、全国どこからでも平等にチケットを購入できるサービスを開発し、お客さまの支持を集めた。
 現在は、チケット販売をはじめ、エンターテインメント分野における出版物やWebサイト運営、コンサートやイベントの企画運営など幅広い事業を展開。2013年3月期の連結売上高は1,119億5,000万円となっている。
 チケット販売には、コールセンター、店舗、インターネットの3つのチャネルを利用しており、チケット販売枚数は年間約6,900万枚に達する。
 コールセンターによるチケットの予約は、1984年のチケットぴあ開始当初からのもの。1993年には「PPS(ピア・プッシュホン・サービス)」を導入。これは当時としては先進的だったIVRによる自動予約システムで、イベントや公演ごとに振られた6ケタのユニーク番号「Pコード」により予約する仕組み。同システムによりオペレーターが介在することなく、予約電話への対応が可能となった。
 その後は、2003年に、お客さまの発話を識別する自動音声認識の機能を増設するなど、システムの改修を重ね、チケット発売開始直後の予約電話の集中に対応するべく、処理能力の増強などを進めてきた。
 現在、コールセンターの契約回線は1,400回線の水準となっており、一部の例外的なケースを除き、予約電話には基本的にIVRの予約システムで対応している。
 店舗におけるチケット販売は、約200の「チケットぴあ」店舗に業務提携先のコンビニエンスストア2万店超を加えた全国ネットワークを形成。コールセンターで予約したチケットの受け取りや代金の支払いなどを店舗で済ませることもできる。
 インターネットについては、チケット販売専用の会員制Webサイト「チケットぴあ」を1997年に開設。利用者の利便性向上や業務効率化の観点から、現在、同社が最も力を入れる販売チャネルである。好きなアーティストなどをあらかじめ登録しておくと、チケット販売の告知がeメールで配信されるといった、ネットならではのサービスも提供。フィーチャーフォンやスマートフォン向け専用サイトも併せて運営している。
 インターネット販売を利用する会員は、2008年に500万人、2012年に1,000万人の大台を突破しており、2013年6月現在では約1,200万人。インターネットによるチケット販売は、3チャネルなどを合わせた全体の販売枚数の約7割を占めるまでになっている。

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月刊『アイ・エム・プレス』2013年8月号の記事