活発化する企業間のコラボレーション

2010年2月7日

最近、経済紙を読んでいると、企業間のコラボレーションをめぐる動きが
活発化していることを痛感させられる。
中でも目立つのは、Webサイトやイベントなど自社の顧客接点をメディア化して、
ターゲットを同じくする非競合企業のPRやプロモーションに活用する動きだ。
こうした取り組みは、何もいまに始まったものではない。
しかし、インターネットの普及が、
こうした取り組みを加速している面があるのは否めないだろう。
インターネットが、生活者と生活者のみならず、
生活者と企業、企業と企業をもネットワークしつつあるからだ。
加えて、長引く不況もこうした取り組みを加速している。
サービス提供側の企業が、自社の経営資源を活用して、
少しでも売り上げを上げようと考えるのは自然な成り行きだし、
サービス利用側の企業にしても、既存手法の効率が悪化する中で、
新規顧客の開拓、つまりは売り上げを増大するために、
新たな手法を模索しているのは言うまでもない。
具体的なコラボレーションの切り口としては、
・自社サイトにおけるネット広告の集広
・アフィリエイト・プログラムによる他社サイトへの集客支援
・ポイントプログラムをめぐる連携
・自社のイベント会場における他社製品のPR
・ネット通販企業とリアル店舗運営企業の提携による商品販売
・店頭へのデジタルサイネージ設置による広告集広 
などが挙げられる。
加えて、ダイレクトマーケティングの領域では、
上記のような自社の顧客接点をメディア化する取り組みに加えて、
自社の顧客対応(コールセンター)や物流の機能の提供、
自社が蓄積したノウハウを軸にしたコンサルティングなど、
さまざまなかたちでの経営資源の切り売りが始まっている。
こうした企業間のコラボレーションへの動きが目立つのは、
長引く不況の中で、各社が、原価や販売管理費の徹底的な見直し、
自力でのキャンペーン展開による目先の売上高の増大に次ぐ、
3番目の生き残り策を模索し始めている証とも言えるだろう。
コラボレーション先の企業のパワーをテコに売上高を獲得する。
そこには、たったひとつの正解は存在しない代わりに、
無限とも言える可能性が潜んでいる。
勝つか、負けるかは、まさに企業間の“知恵比べ”と言えそうだ。