アメリカの中の日本<ロサンジェルス編>

2014年6月14日

5月末から6月初旬にかけて、アメリカはロサンジェルス(LA)とニューヨーク(NY)に行ってきた。LAに3泊、NYに5泊と、限られた期間の滞在ではあったが、その中で目についた、“アメリカの中の日本”について書いてみたいと思う。本日、お届けするのは、LA編である。
私がLAの空港に降り立ったのは、日本を出国した日と同じ5月29日の日中。巨大な空港からタクシーでビーチ・リゾートとして名高いサンタモニカにあるホテルに向かい、シャワーを浴びてから、ビーチにほど近いレストランで食事を済ませ、カジュアルなショップやレストランが立ち並ぶ遊歩道、サード・ストリート・プロムナードをぶらついた。

海岸からサンタモニカ・ピアを臨む

日本でもおなじみのSPAなどが立ち並ぶ
サード・ストリート・プロムナード
サード・ストリート・プロムナードで目についた“日本的なもの”は、ひとつは「Famima!!」の看板を掲げたファミリーマート、もうひとつは、漢字をあしらったTシャツなどカジュアルウェアの専門店だった。
Famimaに入ってみると、そこにはカリフォルニア巻に代表される巻き寿司や豆腐は当然のこととして、日本さながらの茹でた枝豆までが“edamame”の名のもとに売られている。手持ちの和英辞典で枝豆を引くと“green soybeans”と記されているが、レストランのメニューなどにも“edamame”と記されており、日本語がそのまま英語として定着しつつあるようだ。

ファミマ店頭では、茹でた枝豆が“edamame”として売られていた
一方の、漢字をあしらったカジュアルウェアの専門店は、「極度乾燥(しなさい)Superdry.」というところ。日本から来たと言うと、喜んで迎えてはくれたが、店名もさることながら、店内には変な日本語が溢れかえっていて、ちょっと微妙な気分だった。調べてみると、これはロンドン証券取引所に上場するスーパーグループが展開するブランドで、クール・ジャパンの波に乗って、日本を除く(!)世界各国で人気を博しているそうだ。

英国のスーパーグループが展開する
「極度乾燥(しなさい)Superdry.」
店内は変な日本語のオン・パレード
LAでの2日目に訪れたのが、サンタモニカとベニスを結ぶ「メインストリート」である。久しぶりに会った仕事仲間と、オーガニックな素材を使ったカリフォルニア料理の店「ローズカフェ」でランチを済ませた後、夕方のアポイントまでの数時間、ファッション&雑貨店やカフェが立ち並ぶ約1.5kmの道のりを散策した。
メインストリートで目についた“日本的なもの”は、何と言ってもOMUSUBIとフローズン・ヨーグルト専門店の「sunny blue」。おにぎりが1つ3ドル以上というのは何とも高いが、平日の2時過ぎという半端な時間にもかかわらず、店内は満席だった。この店がオープンしたことは知人の会社のブログを通じてすでに知っていたが、偶然、通りがかってラッキー。Webサイトを見ると、フローズン・ヨーグルトには柚子味もあるようだ。

OMUSUBIとフローズンヨーグルトの店「sunny blue」
スパイシーなサーモンのOMUSUBIが約400円だったら?
LAでの3日目には、サンタモニカから延々とバスに乗ってダウンタウンへ。おなじみの「Grand Central Market」でランチを済ませた後、「Little Tokyo」を散策し、夕方からの打ち合わせに出向いた。
「Grand Central Market」は、行かれた方も多いと思うが、1917年にオープンした“ロサンゼルス市民の台所”。生鮮やナッツ類、香辛料などの店に加えて、メキシカンをはじめ各国のファスト・フード・ショップが所狭しとひしめいている。当然、日本食もあったのだが、私はここでは中華をチョイス。牛肉とブロッコリーの炒め物、酢豚、チャーハンを盛り合わせてもらったが、なかなか美味しくて、旅の疲れを癒すパワーランチとなった。

「Grand Central Market」には、
メキシカン、中華、日本食、ベーカリーなどがひしめいている

私が食べた中華のパワーランチ
この「Grand Central Market」から徒歩15分ほどのところにあるのが、LAにある日本人コミュニティのひとつである「Little Tokyo」。第二次世界大戦中に日本人が強制収容されて以来、退廃していたものの、1970年に再開発が始まると共に日本人が移住し、一大コミュニティを形成するに至ったのだという。ここには昔の日本がストップモーションを掛けられたかのようにそのまま息づくと同時に、その傍らでは、昨今の日本ブームの影響もあって、現代の日本を米国流にアレンジしたような独自のカルチャーが共存しているように感じられた。

「Little Tokyo」入り口にある観光案内所「Koban」には、
早くも七夕の笹が飾られていた。
1枚1枚の短冊に目をやると複雑な思いが込み上げてくる

日本という漢字の中にはLAというアルファベットが
包含されているという無茶苦茶な“理屈”のもと、
Los Angelesならぬ“Japangeles”のブランドのもとで
Tシャツ類を販売する出店
「Little Tokyo」訪問の翌日、私は再びロサンジェルス空港に向かい、NYに向けて旅立つことになった。NYで見つけた“アメリカの中の日本”については、次回のブログで紹介することにする。