「詳しくは明日の朝刊で」

2007年2月3日

昨日の「続きはWebで」についてのブログを書いていて思い出したことがある。
それは、数年前から見かけるようになった「詳しくは明日の朝刊で」である。
こちらもテレビCMの話で、広告主は通信販売や通信教育の企業が多い。
通信教育であれば、テレビCMで通信教育講座の教材が届いたときの様子や、
楽しそうな学習風景を紹介し、他にも色々な講座があることを匂わせたところで、
「続きは明日の新聞で」といった具合。
もうかれこれ3年ぐらい前のことだろうか、この「詳しくは明日の朝刊で」を
実施している企業の社長にインタビューを行ったことがあるが、
社長は「最近、新聞広告のレスポンスが以前と比べて減っており、
こうしてテレビCMと組み合わせないと効率が悪いんですよ」と言われていた。
月刊「アイ・エム・プレス」2006年8月号の特集、
「インターネット時代のテレビショッピング新潮流」で
(社)日本通信販売協会/理事・主幹研究員の柿尾正之さんに
インタビューを行ったときにも、同様のことを言われていたっけ。
つまり、昨今、ブームとも言える現象をもたらしている「続きはWebで」には、
「詳しくは明日の朝刊で」というお兄さんがいたということだ。
こうした「続きは」系の複数メディアが連携した広告を、
最近ではクロスメディアと呼んでいるようだが、
よくよく考えてみれば、「詳しくは明日の朝刊で」に限らず、
テレビや新聞のダイレクト・レスポンス広告で、
カタログやサンプルの請求を訴求し、これを送付した上で注文に繋げる、
いわゆる2ステップ形式の通信販売だって、
「続きはカタログで」「続きはサンプルで」だったりするわけで、
「続きはWebで」にはWebというメディアの新しさはあるものの、
クロスメディアそのものは古くからある手法なのだろう。
ちなみに、「Web2.0時代の口コミマーケティング」を特集する
月刊「アイ・エム・プレス」3月号(2月25日発行)では、
専修大学 経営学部の新井範子先生にインタビューを行ったが、
ここでもクロスメディアの話がちらっと登場する。
先生は「続きはWebで」系テレビCMを見て
Webに行ったことのある人は3割程度と言われていたが、
ジャパン・インターネット・コムが類似の調査を行っている。
もしかするとそのうち、お兄さんの「詳しくは明日の朝刊で」は、
Webの普及と共に弟の「続きはWebで」に天下を取られるのだろうか。
それはCPO(Cost Per Order)とかCPI(Cost Per Inquiry)次第だから、
先行企業はすでに色々なテストを開始しているのかもしれないな。
新旧の「続きは」系広告で、特集でも組んでみようか。